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前回の話 『提督を信じてた僕が、とても馬鹿みたいだよ』 …………。 『あんなに提督を慕っていたのに、最低ですわ』 ……五月蝿い。 『私、感情表現は苦手ですけど、もう提督には嫌悪の感情しか出ないわ』 五月蝿い。 『大井っちが言った筈だよね? 裏切ったら沈めるって。まあ今の提督には弾薬使うのも勿体無いんだけどさ……』 五月蝿い! 『だからさ、沈んだ大井っちのいる海は触らないで、どこかで飛び降りてよ』 五月蝿いっ!! …………………… ………… …… 「……っ! ……っ」 口をぱくぱくさせるが、思うように声が出なかった。 自分の意識が静かに浮上した今、既に動悸は不健康なまでに著しく激しい物になっている。 自分の中では悪夢に分類されたそれは、不本意ながら脳に深く刻み込まれてしまった。 大勢の艦娘らに糾弾され、下衆を見るかのように酷く濁らせた目で自分を見限ったのち向こうへ行ってしまう夢。 背景もまた自分の今の精神状態を表すような、荒んだ灰色であった。 勿論これは実際に起きた事ではないのだが、これから起きる正夢と言う奴なのではないかと勝手に恐怖する。 ――唯の夢じゃないか。馬鹿馬鹿しい―― 精一杯の虚勢を張ってそう自分に言い聞かせ、 目から距離のある真っ暗闇が広がる天井から逃げるように寝返りを打ち、布団を頭まで被る。 明日も仕事なのだ。睡眠時間は今しかない。 それなのに……。 ――"飛び降りてよ"―― 虚勢は虚勢にしかならなかった。 布団を被ろうが瞼を閉じようが、夢の余韻は絶たれず、瞼の裏で尚再生し続ける。 寝付こうと数分そうしていても動悸は収まらない。 耐え切れなくなった自分はやがて飛び起きて軍服を羽織り、 私室を飛び出し執務室箪笥の一番動きの悪い引き出しに組み付く。 その中のまた一番奥の陰った隅に置いている物に手をつけた。 そして、多くの艦娘が眠る庁舎を抜け出した。 …………………… ………… …… 「……あら?」 大破入渠から復帰し、どうせなら添い寝でもしてあげようかと思い立ったがマルヨンマルマル。 支援艦隊として敵艦隊の隅から忍び寄るくらいに気をつけて一切の音を殺して扉を開けたが、 その向こうにはまず音を立てる物が何もなかった。 ベッドの中がもぬけの殻だ。 その文字通り脱皮でもしたみたいに、布団が乱雑に床に放られている。 今の時間はマルヨンマルマルを過ぎた頃。 休養の時間真っ只中のこの時間に私室にいないとなると。 ――いた―― 魚雷発射管を外した代わりに足に装着した探照灯が、寂れたベンチを照らす。 誰もいない、空高くそびえる敷地内の明かりが届かないそのベンチに、その人はくたびれたように腰掛けて項垂れていた。 軍帽を被らない提督が、面倒臭そうに座ったままでゆっくりとこちらへ振り向く。 「…………」 元からなのか、探照灯が眩しすぎるのか、提督は弾薬よりも目を細めて眉間の皺の明暗を強く表していた。 背もたれからは紫煙がくゆり、一層この人の今の状態が良くないことを表す。 「修復が終わったなら寝なさい」 口を開けば、普段の調子に靄がかった声が発せられた。 そんな声の提督の追い払う命令は、私の耳には届かない。 傍まで近づくと足に装備した探照灯がこの人を照らさなくなり、 月明かりさえも雲で塞がれているので視界はほぼ漆黒の青に染まるが、 見下ろすとベンチの上で小さな火が灯っているのが分かるので、それを取り上げるのに難はなかった。 案外この人は抵抗しない。 私はそれを地面に叩きつけて、艦底である丈夫な靴で踏みにじる。 「何のつもりだ」 この人の声に静かな憤りが含まれた。 玩具を取り上げられただけでそんな声に変わるなんて、子供みたい。 「また買ったんですか」 「……さあね」 この人は私の追求には応じようとしない。 斜に構えている、ように見せかけている証拠だ。 「提督が煙草なんか吸っているようじゃ、私達が提督を守る意味がなくなるんですよ」 「お前等が守っているのは国民だろ」 「提督は国民ではないと言うんですか?」 立って向き合おうとしない提督に追求はやめない。やめてはいけない。 確かに国民を守るのが私達の使命だけど、それ以上に守りたいものがあってもいいじゃないですか。 駄目だと言うのならそれは私達艦に自我を持たせた神様にでも言って欲しい。 理論の伴っていない言葉しか返せないこの人は今虚勢だけで保っている。 この姿勢を撃ち崩すべく、私は敢えて辛辣な言葉を並べ立てる。 「提督のこんな姿を他の艦が見たら、どう思うんでしょうね」 「五月蝿い」 「悩むのは誰しもあると思いますけど、それを誰にも打ち明けないで自分の体を傷つける提督は、軟弱で臆病者です。 なんでこんな人が提督なんかやっているのか甚だ疑問です」 「……っ」 斜に構えているというか、この人は逃避しているだけ。 遂にはこうして顔さえも逸らして再び項垂れてしまったこの人は、ただ臆病なだけなのだ。 この人のこういったところは呆れるし腹立たしいけど、一番気に入らないのはまた別のところにある。 「結婚までしたのに水臭くありませんか」 「お前にぶつけたって何もならん」 「提督にとって結婚とはなんなんですか。強い絆を結んだのは私の思い上がりだったんですか」 「…………」 「……はあ」 溜息が零れる。 以前からも度々提督のこうしけた姿は見てきたけど、 今のような関係ではないそれまでは煮え切らない思いのままあまり注意してこなかった。 しかし今は違う。 もうそれまでとは違い、嫌な事悲しい事をぶつけ合っても何ら問題はないはずですよね。 もっと私を頼ったらどうなんですか。 仕事の補佐をするだけの秘書以上に頼ったらどうなんですか。 「こっちを向いてください」 「……? んむっ……」 …………。 「ぷぁっ、おま、いきなり……!」 「何かあったら煙草に当たるのはもうやめてください」 「キスの味が煙草臭いのは嫌ですから」 悲しみに暮れる夜もそろそろ更けてきた。 水平線から顔を出そうとする日の淡い光の下、 隙だらけな提督の驚いた顔を尻目に、提督のポケットの中の紙の箱を力の限り握り潰した。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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夜の鎮守府は昼とは打って変わって静まり返る。 昼間は鎮守府内はどこもかしこも騒がしく、近海でも訓練でこれまた騒がしいのとは対照的に動いているものと言えば警備の連中と、 時折夜戦訓練に向かう部隊が葬式の様に静かに出航することがあるぐらいで、誰もいなくなったかのように静かなものだ。 そんな夜、艦娘用営舎の一室で物音をたてないように伊勢は起き出した。 (日向は……寝てるね) 隣で寝ている妹は自分に背中を向けているが耳を良くすますと静かな寝息が聞こえてくる。 (よし…) 寝付きの良い妹を起こさないように慎重に布団を離れ、物音ひとつ立てずに扉を開けると、これまた細心の注意を払って扉を閉める。 廊下では意外に響くチャッという扉が閉まる際の音に一瞬どきりとするが、誰も気づいていないのか、世界は静まり返ったままである。 消灯時間から一時間も経っていない筈だが、何とも寝付きの良い艦隊である。 そんな寝付きの良い艦隊の唯一の例外は足音を忍ばせ営舎の端にある女子便所に向かっている。 当然と言えば当然だが、途中誰にも見られることなく女子便所に辿り着いた伊勢は、中に誰もいないのを確認すると個室に潜り込んで鍵をかけた。 さて、普通夜中に用を足すだけでなら、ここまでこそこそと盗人のように忍んだりはしない。 せいぜい迷惑にならないように大きな音をたてないようにするぐらいだろう。 こそこそ忍ぶにはそれなりの理由がある。 (これは不調を直す為に仕方なくだ。あくまでそれだけの為だ……) 伊勢は己にそう言い聞かせながら下を脱いでその場にかがみこむと、右手の人差指をゆっくり自分の秘所に這わせる。 「んっ…!」 突き刺さるような衝撃が股間から脳髄へ迸る。その衝撃は今の伊勢にとって競走馬に鞭をくれたのと同じ。指を這わせ、こすり、くすぐるスイッチとなった。 「くふっ……はぁ、はぁ……提督……」 息を荒げて愛しい者の名を呟きながら自慰を続ける。彼女がこれを提督で行うのは今回で二回目となる。 今まで自慰をした事は何回かあったが、その際に提督の姿が頭から離れなくなってきてからは暫く禁欲していた。 それは踏み込んではならない聖域の様に思えていたし、艦隊の中では既に古株である自分を信頼してくれる提督への背信の様に思えたし、 何より愛しく思えば思う程にそうした行為に対して不潔だと思うようになってきた。 最初はそれで良かった。 しかし伊勢は仙人ではない。欲求を忘れていることなど、そう長くは出来ないものだ。 そしてある時、欲望は理性を超え、いてもたってもいられず他の一切が手につかなくなり、 溜まりに溜まったものをぶちまけてそれまでとはケタ違いの快楽と、凄まじい後悔の念とに苛まれることとなった。 その二つのどちらが大きかったのかは、同じ言い訳をしながら再び行ったことで説明できるだろう。 「んっく……ふっ…うん」 右手が股間を往復しながら、左手で自分の胸を愛撫する。この手が提督のそれだったらどれほどよいか等と思いながら。 「うっ……提督……私は変態です」 右手の指についた液体がぬるりと指の付け根にたれるのを感じながら伊勢は呟く。 「はぁ、はぁ、……申し訳ありません」 荒い息をつきながら虚空に詫びる。 しかし興奮の後に来た脱力感の中で、聖域を侵犯したという罪の意識ですら今は快楽となっていた。 いつまでもこうしていたかったが、流石にそんな訳にもいかない。 頭が急激に醒めていくにしたがって、脱力感が興奮とは反比例に大きくなって行く。 「……寝るか」 けだるい体を引きずり起こして自室へ戻り、これまた日向を起こさないように慎重に布団に潜り込むと脱力感が後悔に変わる前に眠りに落ちた。 伊勢が執務室に呼ばれたのはその翌日の夕方の事である。 「失礼します。伊勢出頭いたしました」 普段なら秘書艦もいる筈の執務室には提督ひとり、西日でオレンジ色に染まる室内に黒い柱の様に立っている。 「……よく来てくれた」 いつにもまして重々しい口調でそう言うと、伊勢を近くに呼び寄せる。 「ちょっとお前に聞きたい事があってな」 「えっ、はい。何でしょうか」 伊勢は違和感を覚えた。 この若い提督は、普段はその性分なのかかなりフランクに彼女達に接しており、軽口をたたき合う事もあり、今の様に緊迫した空気を出す事は作戦行動中以外にはありえない事だった。 「女にこんな事を聞くのは失礼だし、気を悪くするかもしれないが、お前昨日の夜便所で何してたんだ?」 「!?」 伊勢は目の前が真っ暗になった。 どうして提督は昨夜の事を知っている?あり得ない。あり得る筈がない。 確かに営舎の艦娘用の女子便所には併設された男子便所があるが、あそこを使う者など誰もいない。 第一、執務室のすぐ隣に男子便所がある。何故提督があそこにいる? 伊勢の頭の中で様々な言葉が回り始める。 「なっ、何言ってるんですか!?トイレでする事なんて一つしかないじゃないですか!!」 「お前、用を足すときに俺を呼ぶ癖があるのか」 「!!!!!!」 「お前は知らないかもしれんが、あの便所は壁が極めて薄くてな、隣の音が筒抜けになっている。 もっとも、男子便所は基本的に誰も使わないから放置されていた訳だが、ここの隣が昨日から壊れていてな」 提督は昨夜伊勢が自慰している時に営舎の男子便所を使用し、伊勢の声を聞いている。 提督だって子供では無い、用をたす以外に便所でする行為と言えば何の事かすぐに分かるだろう。 「なんだ……知ってたんだ」 伊勢は呟いて、自分を見つめている提督の顔を見つめ返し、無理やりに笑顔を作った。 「そうです。私は、多分提督が今考えている様な事をしました。その……提督で」 「…」 「ごめんなさい。私こういう奴です。折角信頼してくれた提督をそんな風に考えている様な変態です」 「なあ伊勢」 「こうなった以上覚悟は出来ています。どんな処分だろうと異論はありまむぐっ!」 「聞いてくれ」 ぎこちない笑顔のまま泣きながら告白する伊勢の口を手で塞ぎ、若い提督は語りかける。 「俺は昨日、お前の声を聞いた後自室に戻ってお前と同じ事をした。その……お前で」 「えっ…」 「お前があれをやっている姿を妄想してな。お前が変態だというのなら、俺はそれに輪をかけた最低野郎だ。申し訳ない」 深々と頭を下げる提督と、きょとんとしている伊勢。 「その、何だ。お前さえ嫌でなければなんだが、ある意味ではお互いの気持ちも分かった訳だ。だから……変態同士付き合ってくれないか」 お互いがお互いのおかずだったからお付き合いましょうという、おそらく人類史上初めての告白。 これに対し伊勢は何も言わず俯きながら提督の胸元へ飛び込んだ。 「無言は肯定ととってもいいか?」 何も言わず首を縦に振る。髪の毛の間から覗いている耳は端まで真っ赤になっていた。 執務室の奥は扉一枚で提督の私室と繋がっているが、当然ながらここに普段艦娘達が入る事はない。 初めて入った提督の私室は、予想以上に質素なものだった。 若い独身男の一人暮らしらしくやや乱雑ではあるものの、伊勢が思っていたよりは整っている。 「本当に良いんだな?」 「……はい」 二人でベッドに腰掛けると、提督は伊勢に最後の確認をする。 伊勢が返事をすると、彼女の両肩をつかんでベットに寝かせ、そのまま上に乗る様に彼女の唇を奪う。 最初は伊勢の柔らかな唇を楽しむように、そして次には口から一体化しようとするように舌を滑り込ませ、お互いの舌を絡み合わせる。 やがて、最初はされるがままだった伊勢が提督の背中に腕を回して彼を求め始めた。 暫くの後、二人の口が離れると伊勢は閉じていた目を開き、熱がある様なうるんだ瞳で提督を見つめた。 提督は一度身体を離すとカチャカチャとベルトを外すとズボンを下げて一物をさらけ出す。 伊勢はぼうっとする頭で目の前の現象から判断し、スカートを脱ぐ。 「下穿いてないのか」 「戦闘で蒸れたり濡れたりしても作戦行動中は着替えられない事も多いですから、気持ち悪いまま長時間つけておくよりは…って」 白い直垂を脱ぎ、インナーシャツに手をかけながら説明する。 「成程、それは夢が拡がるな。ああそうだ、それは脱がないでくれ。そっちの方が好みだ」 「……変態」 「お互い様だろう」 二人は顔を見合わせて少し笑い、再びベッドに倒れ込む。 「うふっ……ふひゃ!」 先程濃厚なキスをした提督の舌は、今度はシャツをたくし上げた伊勢の胸を舐め上げるとその頂を舌先で弾くように触る。 その間、右手は伊勢の股間に滑り込み、彼女が昨晩していた行為を再現しはじめる。 「くぅ!…ひぅ…てい……と…ひゃん!!」 あるいは舐め、あるいはこすり、あるいは弾き、あるいは入れ、 玩具を与えられた子供か、はたまた楽器の調律のように伊勢の反応を都度確かめる提督。 「そろそろ頃合いか」 いきり立つそれを伊勢のピンク色の入口にあてがうと、ピクンと伊勢の身体が動く。 「行くぞ」 「はい……お願いします」 ゆっくりと伊勢の中に挿入する。 指で十分いじったからか強張ってはいないが、吸いつくように締められている。 「ッッ~~~~~!!!」 脱いだ直垂を口にくわえ、伊勢は無言の絶叫を上げる。下手に叫び声をあげれば、誰か来ないとも限らない。 血が潤滑油のように二人の隙間に拡がって、滴り落ちる。 「ぷはっ!あっ、ああ!あんっ!」 再び口が開いたのを再開の合図に、提督は伊勢を突き、中で動かし始める。 やがて―― 「ありがとう。伊勢」 「やめてくださいよ提督。お礼だなんて」 伊勢は既に来た時の姿に戻り、提督もまたいつもの姿に戻って執務室への扉の前に立っている。 「また今度お願いしますね」 「勿論だ」 扉を開け、既に暗くなった執務室へ出るとそこからはもういつもの関係だ。 もっとも、「また今度」はすぐに訪れる事になるのだが。 終
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868 :名無しの紳士提督:2015/01/27(火) 21 16 53 ID mjbcI8BU 艦娘「新たに鎮守府に着任した…なんで深海凄艦が!?」 提督「あ~彼女たちは害ないから安心していて」 加賀「秘書艦は譲れません!」 空母凄姫「提督ノ隣ハ譲レナイ!」 二人「(バチバチバチバチ)」 提督「ほっぽ、ひざ上に乗っていると仕事出来ないから、どいてくれ」 北方凄姫「ヤダ!提督!遊ベ!カマッテ!本読ンデ!」 提督「後でしてあげるから、いい子だから」 北方「イヤー!(駄々こね)」 提督「あ、こらレ級!俺のお菓子喰うな!」 レ級「エーイイジャナイ!ソノカワリ提督ガ私ヲ食ベレバイイジャナイカ(ドヤ」 提督「なんでそうなる」 駆逐凄姫「提督・・・月ガ綺麗デスネ」 提督「ああ、月見酒もいいけど、なんでひざ上にのっているのかね? 駆逐「温カイカラ提督ノ膝上ガ好キナンデス」 提督「まあいいか…」 ヲ級「ヲ、ヲヲヲヲヲ、ヲ」 提督「一緒に寝よう?書類たまっているからまた今度ね」 ヲ「ヲ…(シューン)」 港湾凄姫「(ムニムニ)」 提督「あの、港湾さん、なして胸を押し付けてくるの?」 港湾「コウスルト、提督ハ喜ブッテ聞イタ」 提督「いや、うれしいけど時と場所考えてね」 横島気質な為か深海凄艦達が屯する鎮守府とかありじゃね? これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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155 :名無しの紳士提督:2015/06/15(月) 23 20 04 ID .dvVpgpY 流れ豚切りですいませんが駄文投下します。 前スレで話題になっていた「艦娘には提督の高速修復剤(意味深)が必要」というのをもとにしたネタ 「これが今回の提督か」 「はい。資料では腎虚寸前だとか……」 ぼやけた意識で、頭上で交わされる声に提督は一瞬目を覚ました。 ここがどこなのか、彼らは誰なのか、自分はどうなっていて、なぜそうなっているのか。 それらの事を考えようとして、再び意識を失った。どこかのロボットゲームで聞いたような台詞だななどと思いながら。 少し前、提督はいつも通り鎮守府にいた。 今日もいつも通り彼の周りには艦娘がいる。そう。いつも通り。 「あ…っ、あっ、あんっ!!ああっ、提督っ!ていと―あんっ!!あっ……」 彼の上で腰を激しく動かしていた赤城がびくりと震え、力が抜けたように動かなくなる。 二人の間には白濁した液体が滴り、提督の下に敷いたタオルに染みていく。 タオルには同様にしてできた夥しいシミがあり、部屋中に雄と雌の臭いが充満している。 そのタオル上にぐったりとした提督が仰向けに横たわり、ずぶと音を立てて赤城が提督から離れる。 「今日もありがとうございました」 下を穿きながらそう言って頭を下げる赤城。その顔は妙につやつやしている。 「あ、ああ……」 対して提督は仰向けのまま、空気が抜けるようにそう答えるしかできない。 正直、体を起こすのも辛いのだ。 赤城は一礼すると部屋を辞する。するとすれ違いに次が入ってくる。 「ヘーイ提督!今日もよろしくお願いシマース!」 「ち、ちょっと……待ってくれ」 げっそりした提督と対照的に元気な金剛。 今の提督にこの元気娘の相手をする余裕など全くないのだが、それでも勤めを果たさなければならない。 動かぬ体に鞭打って立ち上がろうとしたその時、世界が逆転した。 「やはり無理でしたか……」 提督が目を覚ました時、ベッドの上で横になり、彼が目覚めるまで看病していたのだろう明石が顔を覗き込んでいた。 「艦娘の性的欲求を満たすことは艦娘運用上不可欠ではありますが…、このままでは先に提督がダメになってしまいますね……」 明石の言う通り、艦娘の正常な運用には燃料以外にも性欲の発散が不可欠となっている。 通常の人間よりも強い性欲をエネルギー源とする、一種の淫魔であるともいえる艦娘。それを一手に賄うのが提督の勤めの一つではあるのだが、 生身の人間がそんな荒淫にそう長く耐えられるものではない。 ましてや、よりその傾向が強い戦艦や空母といった大型艦の運用を続けるとなれば、よほどの好色家でもない限りこの提督の様に精気を吸い尽くされてしまう。 「……何とかならんものかな」 提督は体を起こして何とかベッドの上に座る。 背中を向け机に向かって何かを書き込んでいる明石の背中を見ながらそんな事を考える。 (思えば随分、明石には世話になっているな…) 着任してからというもの、この厄介な艦娘の性質の為に苦労する提督の面倒を色々と看てきたのは明石だった。 艦娘の扱い方を手ほどきしたのも明石であったし、彼が疲れていれば精がつくものを用意したり、活発になるツボを指圧したりと、 その方面では初期艦と同等かそれ以上に付き合いが長いのも明石である。 だから振り返った明石が、これまで支え続けてくれた明石が、 張り付いた笑顔と冷徹な瞳を向けてきた時、提督にはその意味が分からなかった。 「…そろそろ潮時ですね」 無論、その言葉の意味も。 それと同時に部屋に入ってきた所属も階級も一切が分からない、真っ白な化学防護服にサブマシンガンを提げた男達の事も。 彼らが自分を押さえつけ首筋に何かを注射したことも。 「やっぱりこうするしかないですね……。怒らないでくださいね?提督のためですから」 急激に遠ざかる意識の中で明石の声が聞こえたような気がした。 男達に両脇を抱えられ、扉の外に待機していたストレッチャーへと運ばれていく。 扉以外の何もが崩れ落ち、その扉もくぐる前に闇に消えた。 次に意識が戻った時、提督は見知らぬ部屋で仰向けに寝ていた。 くすんだ白い天井から手術用の照明が吊るされている。 誰かが頭上で話している。 照明に照らされ、まぶしさに目を閉じ、そこで再び意識が途切れる。 「-く…。―いとく。提督」 「……っは!?」 再び意識が戻った時、先程までと同じ鎮守府のベッドの上で、先程までと同じく明石が顔を覗き込んでいた。 夢だったのか?咄嗟にそう思った提督は首を動かし、殺風景なサイドテーブルに置かれた日めくりを見て愕然とする。 その日めくりが正しければ、彼は二日間眠り続けたことになる。 「ようやく気が付きましたね」 「……寝ていたのか。俺は…」 眠りに落ちる前と同様、背中を向けて机に向かっている明石。 (変な夢を見たものだ) 「夢じゃありませんよ」 明石が背中のまま呟く。 その声はいつもの明るいものではなく、夢―少なくとも提督がそう思っていた―の中と同様冷たく感情の無い声。 振り返った明石。 提督は思わず顔を背けたくなった。 だって、見てしまいそうだから。あの張り付いた笑顔と、感情の無い冷徹な目を。 だが、なぜかそうしなかった。 それは出来なかった。 そうすることが悪い事のように思えた。 そして見たのだ。いつも以上に屈託なく笑う明石を。 そしてその手に握られているリモコンを。 明石の指は、そのうちの一つのスイッチを押していた。 「~~ッ!!!!」 途端に提督は全身に電流が走ったような感覚に襲われた。 そしてその直後に来る強烈な性的衝動。 犯したい。明石を。目の前の娘を、滅茶苦茶に犯したい。 「んっ……、成功ですね」 気が付いた時、提督は明石を押し倒し、その口の中に舌を深く差し込んでいた。 「あっ!!いやっ、あの、こっ、これは…っ!!」 自分の行動が全く理解できない提督。 不思議とあれほどまでに強かった欲求は全くなくなっている。 「大丈夫ですよ。私がこうなるようにしたんですから」 そう言いながら明石はゆっくり起き上がり、提督も一緒に立たせる。 「もうこれでずっと、煩わされることはありませんよ?」 翌朝、提督はいつも通りの時間に起床した。 「おはようございます。提督。今日も一日頑張って皆の相手をしてあげてくださいね」 その横には既に身支度を整えた明石が控えていた。 彼女は持ってきた鞄を提督のサイドテーブルに置くと開いて中を見せた。 「お好きなものをどうぞ」 一口サイズのゼリーのようなものが詰まったそれを提督に差し出す。 提督はたまたま目に入った手前の一つを手に取ると、ふたを開けて口に転がした。 明石によればヨーグルト味らしいそれは、それをヨーグルトと感じる人間がいれば恐らくその人物にとって この世のほとんどの食べ物はヨーグルト味だろうと思う程に申し訳程度の味しかしない。 ゴクリ、とゼリーを飲み込む。 しょうゆ味やカレー味もあるらしいがそれも似たような物だろうと提督は思った。 それからいつものように身支度を整えるが、異なっている点が一つ。 「それじゃあ試運転しますね」 そう言って明石が下を脱がせると、提督の一物をその手で包み込んだ。 明石の指が提督のそれを丁寧に包み、ゆっくりとこすって膨らませていく。 あれほどまでに疲労困憊していた提督だったが、今は男子中学生もかくやという敏感さでむくむくと大きくなってきている。 あの日、提督は―他の多くの提督達と同様に―人間ではなくなった。 脳に埋め込まれた欲求制御デバイスにより必要な時に必要なだけの性欲に駆られ、先程摂取した専用タンパク質が急速に分解されるとバイオ精巣に蓄積され、 光ファイバー化した直結神経で脳からの司令を受信すると、これを材料に良質な人工精子を生み出す。 この提督という名の生体精子ジェネレーターは、全身に常駐する身体機能維持用ナノマシンによってこんな生活を続けても天寿を全うできるという。 強化人間の兵士。SF世界では手垢のついたこの設定も、実際にはそれらの様に格好のいいものではないようだ。 大きく膨らんだ一物は既に明石の手に収まりきらなくなってきていた。 「んっ…んんっ……」 明石はそれを咥えると、チロチロと舌先で亀頭を舐めはじめる。 最初はくすぐるように、徐々に舌で包むように。 「んむ……っ、ん……ん…」 くちゅくちゅと淫らな音を立て、一心不乱に提督の一物をしゃぶる。 先日倒れるまで搾り取られたはずだが、今提督は明石の行為に快楽を覚えている。 だが提督にはそれが果たして本当に自分が興奮しているのか分からなかった。 本当に自分は興奮しているのか。それともデバイスが作り上げた機械化された感覚か。 その問いに意味はなく、そして永久に不明のままだ。 何故ならもう彼の性欲は、彼の物ではないのだから。 不意にびくりと一物が動き、明石の口の中いっぱいに白濁がまき散らされる。 「むんっ!?ぷはっ…!」 思わず吐き出した明石。途中で口から離したためか、口で受けなかった分が顔にかかり、そのピンクの髪を白く穢す。 「よし、今日も異常なし…っと」 そう言ってから、白濁が纏わりついた一物をしっかり舐めとる。 「私の大事な提督。毎日メンテ、してあげますね」 髪の毛についた白濁を綺麗にふき取ると、いつも通りの明るい笑顔―まるで、自信作を愛でるような―で提督を見つめ、言った。 終 +後書き 以上スレ汚し失礼しました。 科学の勝利だ(誰の勝利かは言ってない) これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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前編はこちら 夕張ちゃんアブノーマル! 後編 ―――――――――――――――――――――――――――――― 「そうか。夕張はまだ、潮を噴くくらいじゃ足りないか」 って言いながら、ヒザに座ったあたしの太股のあいだに、また提督の手が入ってくる。 それを感じて脚を開くときって、ああ。またあたし気持ちよくさせられちゃうって思えて、背筋が震えちゃう。 でも今度は、あたしも提督のおちんちんにイヤらしいことしてあげたいの。 だって、あたしが遠征から戻るまで三日も溜めてくれたんだから、たっぷり射精させてあげたいし。 そう思ったらあたしの指は自然に、パンパンに張った提督のスラックスのジッパーを下ろして、 苦しそうなおちんちんを出してあげるんだけど、下着の中から硬く反ったおちんちんがブルンッて出るともう、 なんて言うのかな。あたしのおまんこもお尻も、全身の穴が急にトロッとしだすの。 もう条件反射よね。提督のおちんちんを見ただけでもうこれ欲しいって、頭の中そればっかりになっちゃう。 「夕張、また濡れてきてるぞ。俺のチンポを見ただけでこれか?」 耳の穴を舐められながらこんなふうに言われて、あたしの体のエッチなギアが、また上がってくる。 あたしも提督のおちんちんにいっぱいご奉仕したいのに、これじゃまた、指だけでイカされちゃう。 だってもう提督の指、またあたしのおまんこにクチュクチュって出入りしてるんだもん。 「あっだめ、もう指、だめぇ。あっああっやだっ……ああっ……はい、夕張は……おチンポをみ、見るだけで……」 「見るだけで、どうなんだ?」 「いあっひッ! そこ、こすっちゃダメ、だめぇ……イクの、そこすぐイクからぁっ」 さっきからものの十分もたたないうちに指を入れられて腰をうねらせて、またイキそうになるあたしの体って、ほんとにエッチ。 「あっや、いっ。いっ、イクのいや、いやっ……おちんちん、気持ちよくさせたいのにぃ……」 提督のおちんちんはもう、透明なおつゆがさきっちょからいっぱい出てきて。 あたしがしごくたびにニチャッニチャッって、泡立った粘り汁の音をさせてるの。それにおちんちん周りの男臭い匂いもすごくて、 きっとあたし、このおちんちんをフェラしながらクリオナニーしたら、何回イケるかわかんないかも。 「そうか。じゃあ、ここでもう一度イッたら、好きなだけしゃぶらせてやるからな」 「いっ、は……い、いやっ。いやぁ、そんなのいっ、意地悪ぅ……あっ! あっああんっまたイッ、あふっ。んっんんっ、んーっ!」 二本に増えた指で、すごい速さで気持ちいいところをこすられて、あたしまた簡単にイかされちゃった。 また、潮噴いちゃったかな。ちょっと心配。でもキスされながらイクのってものすごく気持ちいいの。 あたしのおまんこが勝手にくにゅくにゅ動いて、提督の指に吸い付くのがわかるくらい。 「いい子だな、夕張。本当にお前はスケベで、いい子だ」 イッたあとの震えがおさまらなくて、ヒザの上で放心したあたしを抱いて、 提督が髪を撫でたりキスしてくれる。イッてすぐで感じやすいから、これだけでもちょっと声が出て、ピクピクしちゃう。 ああん……もう今夜二回もイカされて、あたしどうなっちゃうの。 「さて、これ以上ここにいちゃ、お前が風邪をひくな。風呂に行くぞ」 「……あ。はい。って提督、なにを……きゃあっ!?」 提督が急にあたしの身体をぐわっと抱き上げて立つから、あたしびっくりして提督の首にしがみついちゃった。 いわゆるお姫様だっこの形。これって、女の子としてはけっこう嬉しいの。 そのまま提督はあたしを抱いて、執務室から提督のお部屋につながるドアを開けて、ずんずんお風呂に直行。 脱衣所で床に下ろしてもらったあたしは、何も言われなくても、提督が脱ぐのをお手伝い。 上着のボタンを外して脱がして、シャツのボタンを外して脱がして。 もちろんその間も、おたがいの股間を軽く触りあってるから、お手伝いは片手でしてるんだけど。 シャツを脱いだ提督の身体は胸板もけっこう厚くて、かなりたくましいの。腕もしっかり筋肉が付いてて、 だからあたしをお姫様だっこするのも軽々してくれるし、セックスもたくさんしてくれる。 「提督……また、キスマーク……つけていいですか?」 「いいぞ」 裸になった提督の胸に抱きついて、チュッチュってあいさつみたいなキスをして、 チュ~~~ッて強く吸ってあげると、キスの赤い印が浮き出す。 それを3つも4つもつけて、提督はあたしのっ! って自己主張。できたら「ゆうばり」って書いときたいぐらい。 それが終わったら提督と浴室に入って、やっとあたしがご奉仕してあげる番。 あったかい湯気でいっぱいな、ひのき風呂の床にヒザ立ちになって、勃ちっぱなしのおチンポに舌をにゅるにゅる這わせて、 精子が詰まった玉袋を手で柔らかくほぐして、提督のこと上目づかいで見上げながら、おチンポをくわえちゃう。 「ああ……んぅ、提督。ゆうばり、いっふぁいご奉仕……ひまふね……あっふ、んっ……」 「く……ゆっくり味わうんだぞ、夕張。お前のかわいい顔を、よく見せてくれ」 「んふ。ふぁい、ゆうばりのフェラがお、見へくらふぁい……んっ、んぷっ……」 あん。やだこれ、すごい。提督のおちんちん、すごい匂い。 鼻から入ってくる男の匂いに頭の中まで犯されて、一日中でもおちんちんを舐めてたくなるの。 あたしは顔をゆっくり動かしてノドの奥まで深く入れたり、小刻みに浅いところでしゃぶったり、 熱いおちんちんが出入りするたびによだれをこぼしながら、イカせてもらったお返しって感じで、 じっくりと焦らしながら、おしゃぶりしてあげるの。 「夕張……いいぞ。んっ、おう……目も半目にとろけて、すごくスケベな顔だ」 「ここの……玉袋の裏の匂い、らいすきぃ……くるっひゃう……バカになっひゃいまふ……」 よだれでベットベトのおちんちんを手コキしながら、片手で玉袋をめくって、 袋を口にくわえて舌で転がしたり、裏のヒダヒダを味見してあげちゃう。そうすると、 だんだん玉袋がきゅーって上に締まってくるから、提督もイキたいんだなってわかるの。 そしたら、あたしも提督の弱いところ、どんどん責めちゃう。もう何十回もフェラチオしてるからツボは知ってるし。 「夕張、そろそろ……イきそうだが、どうする。飲みたいか? このまま入れて欲しいか?」 「あふぁ……飲むう……飲みたいれふ……ゆうばりのからだに、せいえひ染み込ませて……」 おちんちんの先の穴を舌でほじくって、指で軽く手コキしてあげるのが提督の好みなんだけど、 イクときは提督が腰を使って、あたしの口をおまんこみたいに使うのがお約束。 そうなったらあたしは頭を撫でられながらおちんちんをジュポジュポ吸って、 片手で乳首をつまんで、もう片手でクリをいじって、提督の射精をお待ちするの。 「おっ。く、うっ……夕張。イッ、くぞ……もう、イッ……おお……イッ、くうッ」 「んっ、んんんっ、んーっ、んっ、んっん、んんーっ」 あたしが唇でキュウウッって締めたおちんちんがグッと太くなるのと同時に、口の中に射精がくる。 提督の玉袋に三日も溜まってた精子さんたちが、どろっと熱くて生ぐさい汁にぎっしり詰まって、 あたしの口の中にビュルビュルビュル! って、壊れたポンプみたいに噴き出すの。 鼻から抜けるすごい匂いと、熟しちゃった精液のプリプリした舌ざわりを感じてるあたしは、 ちゃんと彼を気持ちよく射精させてあげられたことが嬉しくて、 首を反らせて震えてる提督の下半身をギュッて抱きしめてあげちゃう。 「よかったぞ、夕張……お前のフェラチオは、ほんとうに……気持ちいいぞ」 「んっ……ちゅぷっ。あふ……はっ、ふぁ……」 おちんちんを抜いてもらったあたしは提督を見上げて、精液を溜めたお口の中を見せてあげる。 下を向くとこぼれそうにたくさんの精液で満たされて、きっとすごくエッチな眺めなんだと思うけど、 まだ自分では見たことなくて。今度、提督に写真撮ってもらおうかな。 「三日も溜めてたから、濃いだろう? 飲んでいいぞ、夕張」 「んく、んくっ……ぷあぁ……はあ、はあ……すごく粘ってます。提督の精液……」 こんなに濃くって、精子さんたっぷりの精液。ほんとはあたしを妊娠させたくてたまらないはずだけど、 艦むすの体はふつうじゃないから、子作りできなくてごめんね。 でもそのかわり、おいしく飲んであげるから。でもこんなの飲んでたら、そのうち身体から精液の匂いがしそう。 「今度は、ふたりで気持ちよくなろう。いいな? 夕張」 「んちゅっ……ちゅっ。はい、提督。でもその前にちょっと……」 「どうした?」 「やっぱりちょっと冷えちゃったみたいでその……おトイレ」 「そうか。どっちだ?」 トイレが大か小かまで聞いてくるなんて、あたしといるときの提督って、これぐらい変態なの。 「ふふ、ちゅっ……ちゅっ。えっと……おしっこの、ほうです……」 「そうか。なら、ここでしてしまえ」 「えっ?」 「ここですればいい。まだそれは見たことないしな」 「そっそんな。おしっこ見たいなんて……あっ、提督おねがい。トイレに行かせて……」 あたしを後ろから抱いて、お風呂場の床に座り込んだ提督の手が、あたしの股間に伸びてくる。 そのまま指でクリを撫でられて、恥ずかしさで閉じてた脚もすぐ力が抜けて、ぱっくり開かれちゃった。 でも提督に見られながらおしっこなんて死ぬほど恥ずかしいから、あたし必死でおねがいしたの。 「だめ。んふぅッ、そこいじったらぁ……あっおねがい、おねがい。トイレにあっ。ああっ、あっ……」 「大丈夫だ。俺はこんなことで、お前を嫌ったりしないぞ。ほら、出せ」 「あっ、そんな……あっダメ。だめ。ゆるんじゃう。おしっこ出ちゃうの」 おしっこをガマンするのとクリトリスの皮をむかれる気持ちよさがグチャグチャになって、 あたしの腰が、メチャメチャにうねってる。腰の中にちがう生き物がいるみたい。 「だめっ……もうあたしイッ……おしっこしながらイッちゃう。もう、だめぇっ……ふあっ、ああっ……!」 おしっこの穴がゆるんだ瞬間、提督の手があたしの両脚を下から持ち上げて、Mの字に開く。 そうすると、小さい女の子が親に手伝ってもらうときみたいな姿勢になるでしょ? あたしそのまま提督の体にもたれて、イキながらおしっこしちゃった。 「あああっ……出てる。おしっこ、見られてる……」 あそこからビューって黄色いおしっこが噴き出てるあたしの体を、提督が強く抱いて、キスしてくれる。 それがすごく嬉しくて、なんかもう、提督とならどうなってもいいって思えちゃう。 おしっこの勢いが落ちて、最後のしずくがぴゅぴゅって出たあともキスは続いてて、 そのまま床に転がったあたしたちはシックスナインの体位になって、ペロペロ舐めあうの。 「提督の、またこんなに硬いです……あたしのおしっこ、見たからですか? はむっ、んぅふ……」 「んっ、おぅ……そうだ。夕張のここが、イヤらしすぎるんでな」 「んぷぁっ! 提督、もう指は……今度はおちんちん、おちんちん入れてぇ……」 「いいぞ。俺もそろそろたまらん。お前の好きな体位になってみろ」 「は、はい……」 そう言われたあたしは、立ってお風呂場の大きな鏡に片手をついて、提督に向かってお尻を向けるの。 もう片手の指をV字にしておまんこを拡げて、クイクイッて腰も振って、ドキドキしながらおねだり。 「あっ。ん……どうぞ提督……夕張のおマンコに、おちんちんを、ぶ、ブチ込んでください……」 あたしのあそこって割と後ろのほうに付いてるみたい。だから正常位とかよりバックのほうが挿れやすいし、 おちんちんが気持ちいいところに当たるの。それのこの体位でされると、 あたしって完全に提督のものなんだなって思えるから、いちばん好き。 「わかった。今夜の一発目は、後ろからしてやる」 「はい。たくさん、射精してくださいね……」 後ろに立った提督のおちんちんを軽く握ったあたしは、ぷっくり丸いおちんちんの先を自分で導いて、 せまいけど、しっかりトロけた入り口にそれを押し当てる。 「んっ、はぁっ……そのまま、挿れて……あっ、あぅ。あああっ。はいって、はいってくるぅ……」 提督はいつも、挿れるときはじわじわゆっくり、が好みなんだけど、 あたしも、おまんこが内側からおちんちんに押し拡げられて、息もできなくなる感じが大好き。 ゆっくり挿れられてくうちに体中の毛穴がぶわっと汗をかいて熱くなって、頭の中もまっしろになって、 イヤイヤって首を振って背中がのけぞって、エッチな声が出ちゃう。 「ふぁああっ。あんっあぁっ、おちんちん、気持ちいいっ……いいっ、あんっ。ああああっ」 「くっ……夕張、一気にいくぞ」 「えっ……んあッ! イッふあああぁんッ!!」 きっと、提督もガマンできなくなっちゃったんだと思う。 途中からいっきに入ってきたおちんちんの先が子宮口に思いっきりぶつかってきたから、 あたしもう脚がガクガクして立ってられないの。でもそこから提督が動きはじめてからが最高に気持ちよくて。 「あっあっ! あっふっんっ、あっ、あっ。あんだめえっあっ、あっあっあーっ!」 お風呂場の床に倒れちゃいそうなあたしをしっかり捕まえて、 提督が早く深く、浅くゆっくりおまんこを突いて、ぶっぶぷっぶぶっずぷっずぷって、エッチな音をたてるの。 あたしは舌を出してはっ、はってあえいで、脚を開いて、提督に突かれて体が揺れて、 気持ちよすぎておまんこからあふれた愛液を、床にぽたぽたこぼしてる。 もう何十回もセックスして、何千回もあたしの中に出入りしたはずなのに。 どうしておちんちんって、いつもこんなに気持ちいいのかな。 「んうっ、んーっ。んっ。ぷぁっ……気持ちいい、きもちいい、おまんこいいのぉ……」 背中や唇にキスされて、おっぱいを揉まれて、指でクリトリスをいじられて、 提督との気持ちいいセックスに夢中なあたしの顔や体が、目の前の鏡に映ってる。 あたしこんなにエッチな顔で、たくさん汗かいて腰を振ってるんだ。 でも、それは提督も同じみたい。彼もいっぱい汗かいて、荒い息をしながらあたしをメチャクチャにしてる。 その姿がすごく愛しくて、思わずあたしのおまんこがおちんちんを締め付けちゃう。 「んうっ。くっ……夕張、そろそろ、イクぞ。中に出すからな」 「ああん、だしてっ。夕張のおまんこで、いっぱいイッて……あっんあッあっあっ!」 スパートをかけた提督に合わせて、あたしは自分でクリをいじって、 あそこをキュッって締めて、おちんちんがこすれるようにして、一緒にイケるようにがんばっちゃう。 セックスでイクのは気持ちいいけど、やっぱり提督と一緒がいちばん気持ちいいから。 あたしの体もそれをわかってるみたいで、意識しなくても 「うあッ、あぅンっ。んっ、てっ提督、ていとく。ゆうばり、イキますッ。いひイっ……くぅ……」 「俺もイクぞ夕張っ……うっ、くあああっ!」 あたしと提督がつながってる部分から、ぶびゅっぢゅぱっぱんっぱんっぶぱっ、て音がしてる。 それがふっと収まって、最後のひと突きがお腹を突き破りそうにぶつかってきた瞬間、 あたしの子宮に、精液がびゅるびゅるびちゃびちゃってぶちまけられるのがわかる。 今夜はそれがいつもよりも長くって、ほんとに最後の一滴まであたしに注いでやるって感じだった。 「んあっ……ああんっ。あっ、あ……あついよぅ……提督の、精液ぃ……んむ。ちゅっ……」 「はあっ、はあ……夕張。ゆうばり……」 提督はあたしの体をおもいっきり強く抱きしめて、背中やほっぺにたくさんキスしてくれる。 二人でいっしょにイくセックスって、やっぱり最高ね。おたがいのこと、ほんとに好きって思えるから。 「提督、このままお風呂……入っちゃいません? いっぱい汗かいたし」 「そうだな。そうするか」 そこでやっと提督はおちんちんを抜いてくれるんだけど、 そのとたんにあたしの中から精液がドポッ、ってこぼれ出てきて。 床にボタボタ落ちるし太股にもトローッて流れるし。二回目なのにこんなにたくさん出るなんて、 やっぱり三日も溜めると、すごいんだ。 「あん。出ちゃってる……ねえ提督。三日分でこんなに出るなら、今度は一週間、溜めてみましょ?」 「それはどうかな。俺はガマンできるが、お前はガマンできるのか。オナニーも禁止だぞ?」 「……無理かも。ぜったい提督のこと、どっかで襲っちゃいます」 そのあとは二人でお湯を掛け合って汗を流してから、ぴったりくっついて湯船の中。 うーん。お風呂でセックスって、われながらいいアイデアかも。でも調子に乗ってると、いつかのぼせちゃうかも。 「ねえ提督。今夜は……これで終わりじゃないんでしょ?」 「まだだな。風呂のあとは、ベッドに行こう。お前が満足するまで抱いてやる」 「んっ。はい……あとで、洗いっこしたいです。夕張をきれいにして、ベッドでまた汚してください……」 「わかった。あとな……今ここで言うのもなんだが……お前にひとつ、連絡がある」 「ちゅっ。んふ、ちゅっ……なんですか?」 「一週間後、お前を艦隊任務から解いて、装備を解体する。退役だ」 「……えっ!? どうして……ですか? あたし」 「まあ待て、話を聞け。これは機密だから黙ってたんだが。お前は、解体された艦むすはどうなると思ってる?」 「消えてなくなって、鉄とか、油しか残らないんじゃ……」 「ちがう。鉄とか油は、解体された装備の残骸だ。艦むすの」 そう言って提督は、あたしの肩に手を置いて、話してくれた。 「艦むすの本体は、残るんだ。それも、ちゃんとした人間の体になって」 「……ほんとですか? それって、本当のことですか?」 「本当だ。今までに退役した艦むすたちは、みんな新しい戸籍と身分をもらって、 ここの外で暮らしてる。全国に散らばってはいるが、ふつうに学校に通ったり働いたりしているんだ」 すぐには信じられない話だけど、この話をされてるあたしは、すごく驚いた。 解体はいなくなること、死ぬことだと思ってたから。でも、なんでそれをみんなに教えないのかな。 教えればみんな、解体を怖がることもないのに。 そう思って言ったあたしに提督は、 「……自分から解体してくれと言う者が、出ないようにするためだ」 って答えてくれたけど、このひとことであたしは理解できた。 戦うことはこわい。自分はあした、大事なひとを残して沈むかもしれない。 そんなところから逃げ出したいと思う艦むすがいたら、解体は幸せに生きられる道だと思うはずだから。 「でも、あたしが抜けた対潜部隊はどうなるんですか? 軽巡隊はみんな優秀だけど」 「二日前、お前の同型艦が進水した。夕張二号、と言ったらいいか。とにかくお前のあとは、新しいお前に任せる」 「……そう、なんですか……」 「そうだ。だから夕張」 「あ、提督……」 湯船の中でいきなりあたしを抱きしめた提督が、耳元で言ってくれた。 「退役したら、俺と一緒に暮らそう。夫婦になって、子供を作ろう」 「……ほんとに? あたし、提督とずっと一緒に……いられるの……?」 「いてくれ。俺はもう、お前じゃないとだめなんだ」 「はいっ……はい……あたし、離れません。ていとくのそばに、そばに、います……」 うれし涙でくしゃくしゃになったあたしにキスして、抱きしめて、髪を撫でてくれる提督。 あたしも抱きしめ返して、キスに応えて。もうこれ以上にうれしい事ってあるの? ってきもち。 「ふふ……どうしよ。嬉しすぎて泣いちゃった。ねえ提督」 「なんだ、夕張」 「今と同じペースでセックスしてたら、あたしきっとすぐ妊娠しちゃいますよ?」 「そうかもな……う゛っ、おい。なんでそこでチンコを握る?」 「赤ちゃんできたらセックス、禁止なんですよ? そのあいだに、新しいあたしに浮気したら許さないんだから」 「いや……夕張型がみんな……お前みたいにド変態ってことはないと思うんだがな」 「ひどーい! あたしをこんなにしたのは提督なのにっ! 責任……あ。取ってくれるから、いいのかな……?」 あたしはこれからも、提督と二人で生きて、たくさんエッチして、幸せになると思う。 それがどうなるかわからないけど、きっとあたしたちは大丈夫。根拠はないけど、そんな気がするから。 あ、ちなみに言っておくとね。あたしたち、このお風呂のあとで三回もセックスしたの。 きっと、ケッコンのことですごく燃えちゃったのかな……。 その事とか、あたしの初めてのセックスのこととかも……教えてあげたいけど、それはまた今度、時間のあるときにね? 以上。兵装実験軽巡、夕張ちゃんでした。じゃあね。 完
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241 :名無しの紳士提督:2015/11/20(金) 16 04 13 ID aqrY.AYI 読書の秋(読書とはいってない) 漣「潮ちゃ~ん、ほーれ♪」←エロ本ガバー 潮「ひゃああああん!? こっこここれ、おとこのひととおんなのひとの」 漣「子作りだよ子作り♪ こんな太くて長いのがはいっちゃうんだね~、いやー女体の神秘っすわー」 潮「こっここここんなにおっきいの……すごい、全部ずっぽり入っちゃうんだ」 漣「サイズ差あるとキツいっぽいけどね~。漣達駆逐艦だと、オトナの男性のを全部は厳しいかな?」 潮「や、やっぱりそうですよね……(シュン」 漣「だーじょぶだって♪ カレのが大きくてもね、全部受け入れちゃう裏ワザがあるの!」 潮「裏ワザ???」 漣「ずばり、子宮セックス! 赤ちゃんの部屋にお○ん○ん入れて貰えば、5センチくらいなら深く咥え込めるんだって」 潮「えええええっ!? しし子宮って……」 漣「勿論、いきなりは入らないけどね。カレに時間をかけて優しく拡げて貰って、一番奥まで挿入されたら凄そうじゃない? 子宮の中で精液びゅーってされるとね、女性としてこの上ない幸せと快感を感じるらしいよ?」 潮「て、提督に拡げて…優しく…ナカで……だ、ダメダメダメっ! そんなの恥ずかし過ぎるよぉ~~っ!!!」 曙「漣! アンタ潮が素直なの良いことにオモチャにするの止めなさいよ!」 漣「いや~潮ちゃんは反応がウブで可愛くって♪」 漣(まあ実行に移す勇気は無さそうだけど てか普通に考えて入らないし、さすがに気づくっしょ) 数日後 提督「曙が怪我!? 大丈夫なのか?」 大淀「ええ。何でも部屋で遠洋航海時の体裁きの練習中、転がっていた菜箸を踏みつけてフラつき、近くにあったタンスの角に頭をぶつけて よろけたと思ったらベッドの角に脛を打ち付け、バランスを崩して尻もちをついたところに 丁度先程躓いた菜箸が転がっていて……それが刺さったとか」 提督「お、おぅ」 漣「マジかよ……」 +後書き 242 :名無しの紳士提督:2015/11/20(金) 20 10 55 ID f007pBQw 曙ォ… 243 :名無しの紳士提督:2015/11/20(金) 20 58 06 ID 7SCvDW1A 乙です。なんだかんだで漣の言うことを一番素直に信じてるのがねw 244 :名無しの紳士提督:2015/11/20(金) 21 21 13 ID Kz/BSRGk 偶然お尻に乾電池が入りました的な何かww乙です これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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543 :名無しさん@ピンキー:2014/04/14(月) 02 33 48.23 ID UtLkv7oI 色々ネタにされてるからやってもいいと思いました(コナミ) もしも○○とコラボしたら 201X年 某日深夜 静まり返った鎮守府の一室にて、一人の提督と彼の秘書艦が今まさにケッコンカッコカリ初夜を迎えようとしていた。 「受けてくれてありがとう金剛。絶対幸せにするからな」 「提督、私はもう十分幸せネ。これ以上の幸せを望むのは罰が当たりマス」 一枚の布団に二つの枕。その上にちょこんと座る金剛の左手の薬指には誇らしげに指輪が輝いている。 「お前が十分幸せなら、俺も十分幸せだ」 提督はそう言って金剛に向かい合い、同じように布団の上に座る。 「フフフ。提督、こっちくるデス」 照れ笑いと共に金剛が言い終わるか否かのうちに提督は愛しき新妻の肩を抱き、そっと唇を寄せる。 金剛もそんな新郎を受け入れるように目を閉じて唇をそっと寄せる。 やがて二人の唇が触れ合い― 「陸軍としては海軍の嫁選びに反対する!」 「うああああっ!!なんだお前!?」 窓からの突然の侵入者によって二人の甘い時間は終わりを告げた。 提督も金剛もこの時は気付いていなかった。 この時丁度日付が変わっていたのを。 そしてその日から新しいコラボ企画が始まっていたことを。 「陸軍としては次の嫁を提案する」 1.あきつ丸 2.まるゆ 3.結婚しない 「どんだけ自分のところの推してんだよ!さては外戚だな!?外戚関係だな!?俺の義父になって頭上がらなくする気だな!?」 「ふん。気付いたところでもう遅い。行けあきつ丸!」 「任せるであります」 いつの間にか窓から飛び込んでいたあきつ丸がすっと提督の前に滑り込む。 「提督殿……不束者ですが……よろしくお願いするであります」 恭しく三つ指ついて頭を下げるあきつ丸。その人形のように白い顔は、ぽっと赤くなっていて、何とも言えない色気を感じさせる。 「ま、待てあきつ丸……落ち着け。落ち着いて話し合おう」 「問答無用であります。それに、自分は『じらしぷれい』などというものは苦手であります」 大真面目にそう答え、あきつ丸は提督ににじり寄り、提督は反対に後ずさる。 「そ、そ、それにほらお前はまだケッコンカッコカリレベルに達してないだろ?だからその……な?」 「心配無用であります。イベント期間中はレベル無関係でばっちこいであります」 「なにそれ理不尽」 既にあきつ丸は布団に上陸し、提督は後退を続け今にも追い出されそうになっている。 そんな提督の背中がなにか心地よく柔らかいものに触れた。 「スタァァァァァァップ!!ヘイあきつ丸!提督から離れるデース!」 後ろから抱きしめるように金剛が提督を庇い、あきつ丸を制止する。 提督の背中に触れた柔らかいものは存分にその存在を主張し、人肌のぬくもりを提督の背中に与え続けている。 「ふん。軟派な英国かぶれなど、海の男たる提督殿には相応しくないであります。その体で誑かしたに決まっているであります」 「なっ!?」 一瞬絶句する金剛。あきつ丸はその隙を逃がさず提督との距離を詰める。 既に二人の息がかかりそうな距離になっている。 しかし、こんな屈辱的な台詞を吐かれて黙っている金剛ではない。 「ふっふ~ん。Nice jokeねあきつ丸。そのPoorな体のあなたが言ってもJealousyにしか聞こえないデース!」 「ぐぬぬ」 「いや、あのお前ら……」 美女二人が自分を巡って争うとは何とも男冥利に尽きるなどと呑気なことを考えている場合ではない。 それはまさしく修羅場。今まさに提督は修羅場の真っただ中にいる。 「ふふふふ。これを見ても同じことが言えるでありますか?」 唐突にあきつ丸は提督のズボンをおろし、大きく立ち上がった一物を掴む。 「おっおい!?何やって……」 「提督殿の提督殿は自分が来てから明らかに大きくなっているであります!」 事実、提督のそれは大きくなってはいる。 しかし、あきつ丸(と陸軍)の乱入まで今まさに結婚初夜という状況であったことを考えてみれば最初から大きくなっていたとしてもまったくおかしくはない。 「出鱈目はよくないネ!あきつ丸が来るまでの間私が提督と何をしていたかを考えれば、これが誰のExploitかは明らかデース!」 だがあきつ丸は動じない。 「さあ、提督殿。自分の手で気持ち良くするであります」 その白い指が提督の一物を包み込み、扱きはじめる。 「ちょっ……やめろ、やめ……くぅ、くっ!」 あきつ丸の手は柔らかく、提督の一物を大切そうに手で弄り回している。 「ささ、提督殿。力を抜いて自分に身を任せるであります」 あきつ丸の愛撫は提督のそれをさらに膨張させ、その頂から溢れた白濁液は彼女の白い指にねっとりと絡みつく。 「あきつ丸……お前……」 何か言いかけた提督の前からあきつ丸が消え、代わりにこれまた白い巫女装束のようなものが視界いっぱいに広がる。 「今度は私の番デス!さあ提督!二人のLoveのPowerをこの泥棒猫に見せつけてやるデース!」 言うなり金剛はその巫女装束をはだけさせ、豊かな谷間がゆっくりと、しかし十分に存在感を示しつつ提督に迫る。 「いや、あの金剛……」 「私が提督を幸せにして見せマス!」 谷間はついに提督の顔に達し、地球上のおよそ半分の者が一度は夢見たであろう状況が誕生した。 「んぐっ!こ、金剛……」 人肌の温もりと柔らかさ、そして鋼材や油がどこへ消えているのか不思議なほどの切ないようなほのかな甘い香りが提督の五感全てを満たしていく。 ―だが、 (うわ、金剛めっちゃいい匂い……うぐっ!?) 提督が一瞬頭を離そうとしたが、二度と放すまいと抱きしめる金剛の両腕がしっかりと後頭部に回っている。 これはつまり頭が離せないという事。 (息ができないっ……!!) 金剛の谷間はしっかりと提督を包み込み、まるでこの世界全てが金剛であるかのような錯覚する抱かせる。 (やばい、やばい。本格的にやばい!死ぬ、死んでしまう!!幸せで死んでしまう!) 呼吸がままならないにも関わらず体にしみこむような甘い金剛の香りは徐々に提督の頭から正常な判断を奪い、命への執着という生命の根幹まで奪い始めていた。 (でも、これで死ねるなら……まあ、いいか……) 薄れゆく意識の中、提督はわずかに口元を緩めた。 それはまるで、全ての苦しみから解放されたような、安らかで満ち足りた笑顔であった。 (こんな夢を見たとは言えないよな……) 「ヘイ提督!今度から夢精じゃなくて私に打ち明けてほしいデース」 騙して悪いが夢落ちなんでな。 以上スレ汚し失礼しました。
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「うむ、よくやった」 「でしょー?」 本日の成果は九九艦爆、瑞雲、烈風、謎ペンギン。言うまでもなく装備の開発である。 我が鎮守府の台所事情はこういった組織の例に漏れず厳しく、決戦時はともかく日々の鍛錬に戦艦娘たちを存分に活躍させる余裕は残念ながら無い。 必定、主なダメージソースは空母や軽空母たちに頼らざるをえず、性能の良い艦載機の開発は急務だった。 前任の艦載機開発担当であった赤城さんは、戦力面では申し分なかったものの装備の開発は苦手だったようで、現在は赤城さんを引き継いだこの蒼龍が、秘書兼艦載機開発を担ってくれている。 「ちょうど空母が増えて艦戦が足りなくなっていたところだ。 そろそろ零式52型は引退だな。いつもながら助かるよ」 「へへ、もっと褒めてくれてもいいんですよー?」 彼女はたしかに戦力面で一航戦に劣るものの、装備の開発は比較的得意なようで、現在うちに配備されている強力な艦載機たちのほとんどが彼女の手によるものだ。 「千歳型、飛鷹型に鳳翔、祥鳳…うちの軽空母たちにも最新型がほぼ行き渡ったしな。 これで鍛錬や撃退任務が捗る。これからも頼むよ」 「うん、任されよう!」 加えて、彼女は装備開発を褒めるとたちまち上機嫌になるのだ。『以前』は褒められ慣れていなかったのだろうか。 何にせよ、どんな娘でも自分の言葉で喜んでもらえるなら嬉しいものだ。 「欲を言えばまだ少し足りないが、一段落したし…そうだな。蒼龍には褒美を与えよう」 「え…褒美…ですか?」 「そう、ご褒美だ。装備以外にも秘書として日ごろ世話になっているし、君の働きには報いてやらないとな。 何か欲しいものはないか? 貧乏なうちでもボーキサイトの1000や2000なら出してやれるぞ。 あるいは休暇とか、間宮さんアイス食べ放題とか…」 「それは…確かに魅力的だけど…」 ? 何やらちょっと様子が変だ。申し出が気に入らなかった…わけではないようだが。 まさか、もっと大それたものをご所望なのだろうか。先ほど言ったボーキ2000は結構奮発したつもりなのだが… 「…そうですね。提督、あれ何ですか?」 「ん?……っっ!」 蒼龍が指差した方向に気を取られた瞬間、俺の視界いっぱいに彼女の顔が映り、唇に何か柔らかい物が触れたのだ。 一瞬の出来事。 蒼龍はすぐに離れたが、俺は椅子に座ったまままるで石になったみたいに動けなかった。 次第に事態を飲み込み、理解し、今更ながらに頬が熱く、鼓動が早くなっていく俺をよそに、 「ひひっ、ご褒美。頂いちゃいました」 いたずらっぽく、しかし俺と同じくらいに頬を染めて笑う蒼龍の姿があった。[newpage] *** 元々俺は何か下心があって彼女を秘書に任命したわけではない。 当時、艦載機開発が期待できるのは、それが不得手な赤城さん以外に蒼龍しかいなかった、というだけである。 試しに彼女にやらせてみたら、しょっぱなから流星と彩雲を引き当て、めでたく開発要員と相成ったのである。 それからは彼女の相方である飛龍を始め正規空母も揃ってきたが、ゲン担ぎもあり艦載機の開発と、ついでに秘書も蒼龍に頼んできた。 そこに他意はなかったが、先日の一件以降、当然というか何というか。俺は蒼龍を意識せざるを得なくなった。 というのも… 「…21型零戦、零式水偵、謎ペンギン、流星改…か。流石だな」 「へへー。…提督、またご褒美…欲しいです」 「…っ」 俺の直ぐ側まで身体を寄せて囁く蒼龍。 そう、彼女は装備開発が成功するたびに、その、『ご褒美』をねだるようになったのである。 や、別に、決して嫌というわけではない。むしろ望外の慕情を向けられることには未だに現実感はないものの、間違いなく嬉しい気持ちの方が大きい。 しかし、俺はこの手のことに決定的に疎かった。慣れていなかったのだ。 ましてや俺は提督、艦娘たちの全てを背負う立場である。特定の艦娘に肩入れすることなど決してあってはならないのであり、 「…ちゅ、はむ、ぅぅん…ぷぁ」 俺が思考を空回りさせている間に、蒼龍は俺の肩を抱いて唇をついばみ、舐っている。 困ったことに『ご褒美』は回を重ねるごとにエスカレートしており、唇を触れさせるだけの行為から、次第に情熱的な、舌と唇を積極的に絡ませる、恋人同士のするそれと変わらないものになっていた。 どうすればいいかわからない俺は、ただぼんやりと彼女の蕩けた表情を眺めながら、柔らかい女性の唇と唾液の生々しい匂いを感じることしかできないでいる。 「ちゅ。ふふ、ごちそうさまでした…提督、また、期待しててくださいね。 …もちろん、装備の開発に…ですよ?」 あどけない顔つきとはチグハグな艶っぽい声で終わりを告げられ、俺も夢から覚めたように執務室を見渡す。 蒼龍は何事もなかったかのように自分の席に収まり、仕事を再開している。 おそらく俺が頼んだ、遠征結果と戦意高揚状態の相関を調べるデータの整理だろう。 しかしその頬は上気したままで、表情もどこか嬉しそうな―― 「!」 不意に目線を上げた蒼龍とまともに目が合ってしまった。 慌てて自分の仕事を再開するが、俺の心臓が平静を取り戻すにはもう少し時間がかかるようだ… *** 「…」 報告書をめくりながら、俺は内心驚いていた。 確かにレベリングはそれなりに熱心にやったが、難所であると思われていたカスガダマ沖海戦を、我が第一艦隊はわずか5回のトライでHPゲージを削りきり、あっさりと突破してしまったようだ。 「どーですか司令!私だってやれば出来るんですよ!金剛お姉さまと一緒なら誰にも負けません!」 「ワタシもexcite fightしたんですヨー?でも、敵に与えたdamageは榛名には敵いませんけどネー!」 「そ、そんな…榛名はただ、夢中で…」 「吾輩にかかれば、この程度当然だな!」 「潜水艦は徹底的に無視。潜水艦に攻撃できない艦を集めて夜戦で止め。 私の計算と司令官さんの戦術、ばっちりはまってましたね。さすがです」 「…ああ。お前たち、よくやってくれた」 いつになく執務室が賑やかなのも無理もない。ここ最近になかった大戦果だからだ。 特に、ボスにとどめを刺しMVPまでかっさらった利根は鼻高々である。 しかし、俺の目線が吸い寄せられるのは… 「いやあ、さすがですね皆さん。私が支援した甲斐がありました」 「oh!蒼龍が敵の艦載機をほとんどstrikeしてくれたから私達砲撃に専念できたネ!Nice assistだったヨ!」 「むう…確かに敵のヒコーキはほとんど飛んでこなかったな。吾輩も楽だったぞ」 「今回の蒼龍さんには防空を全てお任せしてましたからね」 そう。今回蒼龍はダメージ源となる艦攻隊・艦爆隊を一切積まず、艦戦と彩雲のみを載せた極端な構成だったのだ。 夜戦重視の戦術のため普段は2隻入れている空母を一隻に減らし、その分艦攻隊・艦爆隊を積むスペースが無くなってしまったのである。 結果、蒼龍は火力的には一切貢献できない構成となってしまった。もちろん、指示したのは俺である。 勝利するためとはいえ、昔からの付き合いである彼女を完全に裏方に回す形にしてしまうのは正直心苦しかったのだが、この戦果ならきっと彼女も納得してくれることだろう。 が… 「提督…私、今回すっごい地味でした」 第一艦隊の面々が意気揚々と自分たちの部屋へ引き上げたあと、取り残された形となった蒼龍がつぶやいた。 「…仕方ないじゃないか。彩雲と艦隊をカバーする分の烈風を積んだら艦攻艦爆積めないんだから」 「じゃあ、じゃあ、艦載機数の多い加賀さんを使えばよかったじゃないですか!」 「い、いや、確かにそうなんだが…」 何故か不機嫌である。いや、不機嫌とは少し違うような…? 「提督、加賀さんもちゃんとレベル上げしてたじゃないですか。私、知ってるんですよ!」 「そりゃお前はずっと秘書艦だったしな…」 「じゃあどうしてですか」 お前を外したくなかったからだ、などと恥ずかしくて言えない。 「…まあいいです。そりゃあ、私だって僚艦の防空は大切な仕事だってわかってますよ。 でも、私も攻撃に貢献して、MVPを取りたかったんです。…提督のために」 最後に付け足された語に激しく動揺しているのが自分でもわかる。 「い、いや、蒼龍はよくやったよ。蒼龍がいなかったら今回の勝利は覚束なかった」 「本当ですか?」 「ああ。真のMVPはお前だ」 「じゃあ…『ご褒美』、下さいよ。いつもより、豪華なの」 ようやくわかった。不機嫌ではない、これは… 「今夜…部屋で待ってます、からね…」 思わぬ追い打ちを食らい、固まった俺が気づいた時には、彼女は既に執務室からいなくなっていた。 *** 無論いくら疎い俺でも、蒼龍のセリフがどういう意味を持ってるのかぐらいはわかる。 残っていた仕事を終わらせ(まるで手に付かなかったのは言うまでもない)、身を清めた俺は、神妙な心持ちで空母寮を訪れ、蒼龍の部屋の前に立っていた。 意を決して、ノックする。 コンコン。 「はーい、どうぞ」 いつもと変わらぬ…ように聞こえる蒼龍の声に幾分平静を取り戻した俺は、ぎこちない動きでドアを開けた。 「ふふ、いらっしゃい」 「ああ…」 艦娘たちの部屋は簡素ながら、要望に応じて和室と洋室に振り分けている。蒼龍の部屋は和室である。 勧められるままに座布団に座った俺は、事前に何回もシミュレートした通り口を開いた。 「蒼龍、今回は本当によくやってくれた。感謝して――」 「もう提督、それはさっき聞きましたー。もちろん嬉しいですけど、私が欲しいのは『豪華なご褒美』ですよ」 「う…」 いきなり予定が狂ってしまった。仕方あるまい…いくらか段階をすっ飛ばすことにする。 「蒼龍…隣に座ってくれるか?」 「はい♪」 いかにも嬉しそうに、蒼龍が俺の隣に収まる。 それだけではなく、じいっとこちらを見続けている。正直気恥ずかしくてしょうがないのだが、目線を逸らすといろいろアウトな気がして外せない。 出所不明の義務感に突き動かされ、俺の腕は半ば無意識的に蒼龍の背中に回っていた。 「蒼龍」 「はい」 柔らかい。温かい。名を呼びながら抱きしめるだけで、こうも気持ちが昂るものなのか。 こいつが愛しくてしょうがない。 「よく…やってくれた。お前は最高の空母…いや、艦娘だよ」 「…はい」 「これからずっと、俺の秘書をやってくれるか」 「…! ず、ずっと、ですか?」 「そうだ。ずっとだ。…嫌か?」 「嫌じゃ、ない、です、けど…驚きました。提督はもっと奥手だと思っていたのですが」 しまった、すっ飛ばしすぎたか。 「でもそんな…土壇場で突っ走っちゃう提督も…好きです」 その言葉に心臓が跳ね上がりそうになる。ただでさえ人生最大速度で鼓動しているというのに。 改めて蒼龍を見つめる。 濡れた瞳。柔らかそうなほっぺ。龍の髭のような紐でしばった、幼い印象を際立たせる二つのお下げ。 今までさんざん見てきた顔のはずなのに、吸い込まれそうな錯覚に陥る。 いや、実際に吸い込まれていた。いつの間にか、俺は唇を重ねていた。 「あ…ん…んふ…ちゅ、ん…ああ…」 今までとは違う自分からするキスの、なんと甘美なことか。俺はひたすらに蒼龍の唇を、舌を、貪った。 ひとしきり堪能した後、ようやく口を離した。銀色の橋がぷちりと千切れる。 「…嬉しいです。キス、提督からしてくれたことなかったから」 「すまん」 「最初の時だって、私、ものすごく勇気を出してやったんですよ?」 「…すまん」 「でもやって良かったです。私がああでもしなきゃ、提督は私のこと、意識してくれませんでしたものね」 「…ああ。感謝してる」 「何言ってんですか。感謝してるのはこっちの方ですよ」 「え?」 「私…ずっと怖かったんです。正規空母の中じゃ弱いし、そのくせ燃費は正規空母並だし。 隼鷹や飛鷹なんか、私とほとんど艦載機数が変わらないのに、燃費はずっといいし。 飛龍は私よりずっと運がいいし…正直、客観的に見たら、あえて私を使う理由なんて殆ど無いんです… 提督の気まぐれで第一艦隊に、秘書にされたんだろうと。 どうせ私なんてすぐ外されてしまうだろうと。そう思ってました。 …なのに提督は、私を重用して下さいました。そればかりか、秘書に据えて、艦載機開発まで任せていただいて。 私はたまたま最初にホロ装備を出したってだけなのに。 いい装備が出るたびにびっくりするぐらい褒めてくださって… 嬉しかった…」 …そうか。あの喜びようにはそういう事情があったのか。 偶然だが、俺が艦載機担当に据えたことが他の空母たちに感じていた劣等感を和らげていたのか。 しかし…と、よせばいいのに思わずネタばらしをしてしまう。 「…それは、赤城さん以外に艦載機開発できるのがお前しかいなかったというだけで」 「でも、飛龍や瑞鶴たちがうちに来ても、提督は私を外しませんでしたよね?」 「そりゃまあ、そうだが…」 「どうしてですか?」 「…考えたこともなかった。お前を外すなんて選択肢、端から無かった…だけ…」 …うん?ということは、つまり、…そういうことなのだろうか? 「提督ったら、やっぱり自覚なかったんですね。ほんとうに可愛い人です。 とにかく、私だって提督に、とっても救われてたんですよ。そこが重要なんです。 おかげで、私は二航戦の誇りを保つことが出来ました。だから…大好きです」 再び心臓がドクンと跳ね、思わず蒼龍を抱きしめる腕に力が入る。 触れ合ってる場所が馬鹿みたいに熱く、頭の中も茹だっているのがわかる。 乱暴にはすまい、という理性の欠片を必死に保ち、彼女を抱きしめたまま囁く。 「…いいか?」 「私が誘ったんです。してくれなきゃ怒りますよ。あ…でも…明かりは消して欲しいです…」 立ち上がるのももどかしく、片腕で蒼龍を抱いたまま膝立ちで電灯の紐を引く。 部屋がふっと暗くなり、窓から差す埠頭の街灯だけが、お互いの輪郭を浮かび上がらせる。 「ん…他には…?」 「…なるべく、優しく…でも激しく…してください…」 目を伏せて、ぎりぎり聞き取れる声でおねだりする彼女は、たまらなく淫靡だった。 *** 「…触るよ」 「ん…」 布団に横たえた蒼龍に寄り添って、柔らかそうな胸に手を伸ばす。 名前通りの蒼い着物はしっかりとした布地だが、そこから伝わる感触は女性特有の柔らかさ。 今までは気にはなってもあえて目を向けまいとしていた、その中でも一番柔らかい場所に、俺は今触れている… そのことに得体の知れない充足感を覚えながら、俺は愛撫を始める。 「んっ …ふ…んんぅ…」 「蒼龍の胸、見せて」 「…あ…っ」 紐をゆるめ、着物を開き肌を露出させると双丘がこぼれ出る。 蒼龍の胸は大きめだが、戦艦娘たちのように形がしっかりしているわけではない。 おそらく服が比較的ゆったりしているのもあるだろうが、仰向けになった蒼龍の胸はやや潰れ、 いつも見るよりは小さい印象を受ける。 「…あ、あんまり見ないで、ひゃんっ…! あ…んん、ん…」 しかしその分、柔らかさは尋常ではない。 しっとりと汗を帯びた、まるで搗きたての餅のような乳肉を撫でるたび、蒼龍の口からは悩ましげな吐息が漏れる。 闇の中でふるふると震える乳首にむしゃぶりつきたい衝動をこらえつつ、 あえてそこを避けて優しくキスをし、舌を這わせて愛撫していく。 同時に袴の中に手を差し入れて、熱を帯びた大腿を撫でる。 「は…ぁ…! ん…」 触れる度に蒼龍の体はぴくりと反応するが、拒絶されているわけではなさそうだ。そのまま鼠径部や恥丘を下着の上から指を這わせ、蒼龍の劣情を煽っていく。 「うう…提督…っ」 「何だ…?」 「…っ 提督って…意外に意地悪なんですね…」 「そうか?」 「そうですよぉ…」 そろそろだろう。自分の指を舐めて濡らし、コリコリと尖った乳首に自分の唾液を塗りつける。 「ひぃんっ! は、て、いとくぅ、それビリって、んん、ん…っ!」 ヌルヌルになった乳首をそのまま指で転がし、軽く摘み上げる。 反対側の乳首は直接口付けし、舌で転がす。汗の塩気と、かすかに甘みを感じる… 「ん、んんっ…!は、ひゃんっ…はぁ、はぁ、あ、くぅん…」 「甘い…」 「な、何言って、! あ、そこ、は、ああっ…!」 ぐしょぐしょに濡れそぼった下着の上から、今度は肉豆と割れ目を強く指でなぞると 蒼龍は鋭い嬌声を漏らした。 「やあっ…提督、直、にぃっ…!」 精一杯のおねだりにこちらが我慢できなくなり、下着に手を突っ込み蒼龍の恥丘と性器全体を直接手のひらで覆う。 秘裂がちょうど中指にぴったりと当たり、ぬちゅりとした温かい感触を指の腹で撫でると、蒼龍の喘ぎ声がひときわ高くなる。 そのまま、しとど濡れた肉のスリットに指を潜り込ませて、膣内の浅い場所をクチュクチュと弄る。 「ひぃんっ…はぁっ、はあ、あっ、あ、あぁ、指、ぃぃ…っ、! そこ、ぞくってぇ…」 中指の根本がクリトリスを押しつぶすたびに蒼龍はビクビクと痙攣し、膣内の指を締め付ける。 いつの間にか蒼龍の腰は俺の指を誘い込むように艶かしく動き、手のひらと下着はべっとりと愛液で汚れている。 「…下、脱がすよ」 「やぁっ…」 「嫌?」 おそらく反射的に答えただけだろう。俺の問に目をぎゅっと瞑ったままふるふると首を振って応える蒼龍。可愛い。 完全に用を為さなくなった下着を丁寧に脱がすと、ついに蒼龍は一糸まとわぬ姿となった。 蒼龍の秘所を暴こうと、俺の腕が勝手に動き蒼龍の足を広げ、ソコを完全に曝け出す。 「や…やだぁ…そんな、見ないで…」 見るなと言われても目が離せない。暗さに慣れてきた目には、性器の周りにぽやぽやと生えた陰毛や、勃起しピンク色に光るクリトリス、ぷっくりと充血し開いた陰唇、その奥でヒクヒクと蠢く濡れた肉穴まではっきりと見て取れた。 発情し開花したソコは今まで見たどんなものよりも卑猥で、俺は思わず彼女の股間に顔を埋める。 「ひあっ…!?舐め…っ うぁっ…ふ、ふぅっ!ん、んぁっ、は、はぁんっ!」 汗と女の生々しい匂いがむわりと顔を包む。 そのまま舌を秘裂に沿ってなぞり、小陰唇の奥に隠された尿道口と膣口を丁寧に舐め上げる。 膣口に差し入れると愛液がじわりと滲み出て、膣腔内を吸い上げる度にずじゅじゅう、ぶぢゅるるうという下品な音が部屋に響く。淫らに発情した蒼龍の味と匂いを、俺は夢中で味わった。 「あ、いいんっ、音立てないでぇっ…! 舌、あ、たま、ふわふわって、私ぃ、はぁんっ…」 もちろん音はわざとである。 蒼龍の愛液を存分に堪能し、目の前で存在を主張している陰核に舌を這わせながら、膣内に指を差し込みかき混ぜた。 「蒼龍のここ、すごい大きくなってるぞ…」 「やあ…っ そん、な、こと… !!そ、れ、舐めちゃ、ひ、ひゃんっ… …はぁっ、はあ、あっ、あ、あぁ、指、ぃぃ…っ、! な、か、そこ、ぞくってぇ…」 どうやら膣内の性感帯を探り当てたようだ。ソコを指の腹でトントンと叩きながら、クリトリスを包皮ごと口に含み、思い切り吸い上げた。 「やぁ、はぁんっ、いっ…!? そ、こ…ああああぁぁっ…」 蒼龍は腰を浮かせながらブルブルと震わせ、数瞬後ドサリと布団に落下する。 指を引き抜くと、大量の愛液がゴポリと溢れでた。 「はぁ…はぁ…提督…すごいですよぉ…あっ、あむ…」 くたりと身体を弛緩させた蒼龍はたまらなく扇情的で、俺は思わず彼女の口にむしゃぶりついていた。 「むっ…んん…っ…ん、あ、ていと、んむぅっ…ちゅっ、ちゅうっ…」 舌を絡め合い、唾液を舐め取り、自らの唾液を蒼龍の口内に送り込む。 先ほどとは違う、犯すような、搾取するような激しいキス。 蒼龍の体液を摂取しているという事実にどうしようもなく興奮し、脳が熱暴走を起こしている。 「…ぷはっ! はぁっ、はぁっ、て、ていとくぅ、息できませんよぉ…」 「すまん…蒼龍があんまりにもエロ可愛くて」 「っ そ、そういうこと言うのやめてください…」 「蒼龍の口もアソコも美味しかった」 「ちょっ!だ、だからぁ…」 「次は、蒼龍がしてくれると嬉しいな」 「……!!」 調子に乗って言葉責めを重ねると、蒼龍は完全に固まってしまった。 …少し調子に乗り過ぎたかもしれない。引かれてしまったか…? だんだん不安と後悔が大きくなっていく俺の視界が突然回転し、蒼龍の顔がすぐ前に…否、上に位置する。 ちょうど俺が蒼龍に押し倒された格好で、どうやら体勢が逆転してしまったようだ。 「提督のご希望、よぉっくわかりました。そこまで仰るなら私も遠慮はしません。 今まで私が提督にしてあげたかったこと、存ッ分にやらせていただきますね…!」 鼻息荒く迫る蒼龍。あれ…?なんか俺、変なスイッチ入れちゃった…? 「はむぅっ!?…ん、んぅ…あ、あう、そう…むふぅ…!」 誠に残念ながら、これは俺の声。 そう、つい先程とは逆の構図。蒼龍が俺に覆いかぶさり口内を舌で蹂躙しているのである。 次々と蒼龍の唾液が送り込まれ、溺れそうになる俺。逃げようにも頭をがっちりホールドされてるので逃げられない。 限界に近いところでようやく口が解放された。 「ぷはっ、はっ、はっ、そ、蒼龍、お前…」 「やっぱり私の提督はとっても可愛いです ささ、楽にしてくださいね…♪」 丁寧にシャツを剥がされ、夜気に曝される俺の肌に蒼龍の熱い柔肌が直接重ねられる。 「ちゅ…れろ、ちゅ、ちゅぷ…ふふ…んちゅ、ぺろ…」 耳、頬、首筋。蒼龍がキスするたびにくすぐったいぞわりとした快感と、蒼龍の髪の匂いが鼻を撫でる。 次いで肩甲骨、喉、胸元にキスの雨と舌が這いまわり、乳首が弄ばれる。 「そ、蒼龍…」 「だぁめですよ、今は私がしてるんですから」 胸、鳩尾、臍、下腹部… 俺の肌の上をぬらぬらと這いまわる舌はだんだん下の方にずれていき、ズボンを脱がされ、屹立した下着のテントに到達する。 「はぁ…提督の、こんなに…んっ…ちゅ…ちゅ… 興奮してくれてるんですね…嬉しいです…ちゅ…はぁ…」 下着の上から先端にキスされるたび、布越しに唇の柔らかい感触が伝わる。 「んぅ…んふぅー…んっ、ん、ん…」 更に口に含まれ、舌で弄られている…らしい。下着越しにされているため確証が持てない。 何より、もどかしい。 「ふーっ…すぅー…はぁ…これが…提督の…」 おまけに匂いまで嗅がれているようだ。やばい。風呂に入ってきたとはいえ、こいつヤバイ。エロい。 そうこうするうちに下着まで脱がされ、限界まで勃起した肉槍が蒼龍の目前に曝される。 「…すごい…」 トロンとした目で俺のモノを見つめる蒼龍。恐る恐るといった動作でそれを手に取り、顔を近づけていく。 「んっ…すーっ、ちゅ…すごい、エッチな匂いと味…あっつい… ちゅ、れろぉーっ、にちゅ、はーっ、れりゅ、ちゅ、ちゅっ、はーっ、はーっ、んちゅううう…」 竿に舌を這わせ、根本から舐め上げ、先端や裏筋にキスの雨を降らせる蒼龍。トロンとした目で時折こちらを見遣るのが堪らない。 「ふふ…提督の、しょっぱくて先っぽからヌルヌルが出てますね…もっとしてあげますから、気持ち良くなってください…」 いかん。なぜ俺が恥ずかしいのだ。普通逆ではないのか。 いや…しかし俺もついさっき蒼龍に同じことを…蒼龍は同じことをしてくれているだけ… 「うわっ!?そ、蒼龍、そこは…」 「男の方も、ここは気持ちよくなれるって聞きましたよ?」 つ、つっと指先で撫でられる俺の菊門。やばい、こいつヤバイ。 それにこいつ今、「も」って言わなかったか!? 「でも初めてなのにちょっとやりすぎですよね…今回は撫でるだけにしておきますね♪ …ぁむうぅ」 「うぁあっ!?」 大混乱から立ち直る間もなく突然俺の陰茎が生暖かいものに包まれた。 先端を咥えられたままカリ首に舌が這いまわり、鈴口が刺激される。 「んっ、んぷ、んっ、んんん…ぷぁっ、はっ、んんっ、じゅじゅちゅうっ、はぁ… あむ、ぐぷっ、じゅぷあっ、はあっ、あむっ、んっ、んん、ううんっ♪」 くぐもった吐息と淫らな水音、陰茎への刺激、何より蕩けた顔で俺のモノを一心不乱に舐めしゃぶる蒼龍の表情が 劣情と射精欲を煽り立てる。 「ぷちゅぅ、ぐちゅ、くちゅっ、ちゅぷっ、あはぁ…はむぅ、ちゅろっ、ぢゅろっ、くちゅる、ぢゅうううっ…」 「お…いっ、そう、りゅう、ダメ…だっ…!」 「んー…?ひもひよふにゃいれふか?」 馬鹿、シながら喋るな変な刺激がっ…! 「ちがっ…よすぎて、出ちまう…っ」 「んふー♪ …ちゅる、じゅ、ふぁ、ん、んぶぅ、ちゅぷ、ちゅっ……ぢゅるるるるっ!」 むしろ一層情熱的にフェラチオを再開する蒼龍。その嬉しそうな顔を見た瞬間、ついに我慢が決壊する。 びゅ、びゅぶぅっ!どぐっ、どぐっ…どぷっ… 「んぷっ!?ん、ん~っ ぷはっ、こほっ、うわ、わっ…」 たまらず蒼龍が吐き出した精液が俺の下腹部にぼたぼたと垂れ、 それでも収まらない射精が蒼龍の顔を白濁液で汚していく。 「これが…提督の精子…なんですね… …ふふ、エッチな味と匂い」 「す、すまん、口の中で…うわっ!?」 じゅずずぅ、ぴちゃ、ちゅぱっ… なんと蒼龍は俺の腹に落ちた精液を舐め取り始めたのだ。 馬鹿、やめとけという言葉も聞かず夢中で俺の子種を啜るその姿はどうしようもなくエロくて、 俺の制止の声はだんだんと掠れて消えてしまっていた。 ちゅぷん、と萎えてしまった俺の陰茎に残った精液まで吸い出して、蒼龍はニカッと笑う。 「ごちそうさまっ♪」 「お、お前…お前…」 得意げな顔で俺の胸に抱きつく蒼龍。 「馬鹿だな、飲まなくていいのに」 「違いますよ、私が飲みたかったんです。…そりゃ、味はあんまり良くなかったですけど。 私で気持ちよくなってくれた、好きな人の精子なんですから。飲んであげたいに決まってます。 それに、提督の精子ですよ?…興奮するじゃないですか」 「…お前がそんなにエロいとは知らなかったよ」 「なーに言ってんですか提督。提督だって私のを飲んだじゃないですか。エロいのはお互い様です。 お、おまけに…美味しかった、だなんて…」 「う…あ、あれは…」 思い出させるな顔から火が出る。 しかし言われてみればその通りである。その通りであるが、ちょっと想像と違ったというか、 艦娘はもう少しお淑やかであって欲しかったというか… 「というか、いやに手慣れてないか?本当に初めてなのか?」 「あのですね提督…私達の生活、ご存知ですよね? 今までそんなコトする暇なんてありませんでしたし、第一相手がいませんよ」 「いやまあ、確かにそうなんだが…あんなことの知識はどこから…」 「秘密です。でも、私がやったことぐらいの知識はだいたいみんな知ってますよ? 駆逐艦の子たちでも知ってる娘がいるくらいですから」 「…オゥ…」 なんということだ。我が鎮守府がそんな事態になっていたとは…恐ろしい。 「そういう提督こそ、なんか手際良かったですよね… 女っ気の全くない生活をしてらっしゃいますが…実は女性経験が結構お有りで?」 「き、企業秘密だ」 「ほらぁー」 ご想像にお任せします。 「…私達だって、女の子ですから。そういうことに興味はあります。 私も提督にアプローチした時から、いつかこんな時が来るかなって…考えたり、れ、練習したり…」 バカヤロウ、何突然エロ可愛らしいこと言ってんだ。おかげで元気になっちまったじゃねえか。 「あ…提督の…」 蒼龍も気づいたらしい。改めて蒼龍を組み敷いて抱きしめながら、耳元で囁く。 「…挿れるぞ」 「はい…私でいっぱい、気持ちよくなってくださいね…」 そそり立つ怒張をあてがい、ゆっくり、ゆっくりと腰を進める。 「っ」 ペニスが、蒼龍の充血した小陰唇を掻き分け― 「っう、ううっ…」 膣口をこじ開け― 「くうっ…あ、ああっ…」 処女膜を引き裂き― 「あ…あ…っは、はうっ!はっ、はっ、あ…」 遂に最奥に到達した… 「ぜん、ぶ、入りましたか…?」 「ああ…大丈夫か…?」 「は、はい…痛いけど…痛いのも…嬉しいです…」 クソッ、どんだけ可愛いんだこいつは。 「提督…このまま、ぎゅっとしてください… …あと、キスもしてください…」 言われなくても。 存分にお互いの唾液を交換し合ったあと、頃合いを見計らいゆっくりと腰を動かし始める。 「っ!」 「だ、大丈夫か?」 「はい…ちょっと痛いけど…平気…動いてください… 私、は、提督と繋がってるだけで…っ、あっあ、んんっ…」 いちいち興奮させるようなことを言うな。加減できなくなる。 ピストン運動は控え、ゆっくりと円を描くように腰を動かす。 それだけで蒼龍の膣内はきゅうきゅうと締め付け、信じられないほどの快感をもたらす。 「はぁ、はぁっ、提督、提督ぅ…」 「蒼龍、好きだっ、蒼龍っ…」 互いの名を呼ぶたびに嬉しさと快感がこみ上げてくる。 それは蒼龍も同じなようで、彼女の腰の動きもだんだんと大胆になっていく。 結合部から出るずちゅ、ぶちゅという卑猥な水音が脳髄を刺激し、蒼龍の息遣いと熱気が頭を熱く甘く蕩かしていく。 「はぁっ、あ、! あっ、てい、とく、ああっ、やだやだ…っ、そ、こぉ、だぁめっ…!」 たゆんたゆんと揺れている柔らかい乳肉を掴むと、蒼龍の嬌声が一段と激しくなる。 そんな蒼龍がたまらなく愛しくて、腰を動かしたまま覆いかぶさって唇を貪った。 「ちゅむぅ、ちゅぶっ、ちゅる、んっ、ぷぁっ、んんっ、あはぁっ きも、ちいい、ですかっ…?て、とくっ、あ、わ、わたしできもち、よく、なれてるっ…?」 「ああっ、最高だっ…蒼龍のナカ、熱くて、ぬるぬるでっ…搾り取られそうだっ…!」 「よかっ…た、わた、しも、はぁっ、ていとくのぉ、いいっ…きもち、いいですっ…」 前戯でさんざん濡らしたのが良かったのか、蒼龍はほとんどもう痛がる素振りを見せない。 それとも蒼龍のしていた『練習』の成果だろうか? 「ちゅ、ぺろ、はぁ、すっ…き、な、人の、だからぁっ …きもちいい、の、かなっ…」 そんな詮無い思考も蒼龍の台詞で塗りつぶされ、彼女の胎内にすべてを注ぎ込むことしか考えられなくなってゆく。 「う、うあっ…も、だめだっ…蒼龍…っ」 「はいっ、はいっ、わたしの、なかでぇっ…ぜんっ、ぶっ…わたしもっ…!」 どくんっ、どびゅうっ、びゅるる、びくっ、びくっ… 限界まで抑えていた欲望が爆発し、蒼龍の最奥に流れこむ。 同時に蒼龍の膣肉もまるで絞りだすようにうねり、痙攣し、貪欲に子種を飲み込んでいく。 「っあ…あ…あつい、の、どくどく、って、出てます…」 人生最高の充足感を味わいながら、蒼龍の肚に一滴残らず注ぎ込んだ。 そのまま倒れるように蒼龍に覆いかぶさり、心地良い倦怠感を共有する… 「はぁっ、はぁっ、気持よかったよ、蒼龍…」 「私も、です…私…幸せです…」 この期に及んでまだそんな可愛いことを言うか。俺を殺す気か。 互いの体温をひとしきり楽しんで、ようやく蒼龍から離れる。 萎えた陰茎を蒼龍の膣穴から引き抜くと、愛液と精液の混ざったものがゴポリと溢れ出る。 「いっぱい出ましたね…」 二回目だというのに、我ながらよくこんなに出したものだ。 「…っとと、ティッシュティッシュ」 「ああいいんです、後で私が片付けますから。それに―」 「え?」 「いえ…何でもないです…あの…ちょっと勿体無いなって思っただけです…思っただけですよ?」 この子は… 「…で、大丈夫だったか?最後の方は俺も気遣いとかできなかった、すまん」 「いえ…最初は痛かったですけど…途中からわけわかんなくなってましたし… 多分、気持よかった…ですし…夢中になってくれたのなら、嬉しい…です」 そう言葉を紡ぐ蒼龍がまた可愛くて、たまらず俺は彼女を抱きしめる。 「…これからも、よろしくな」 「はい…こちらこそ♪」 蒼龍が眠りについたあと、このまま蒼龍を抱いて眠りたい衝動をこらえ、俺は空母寮を後にしたのだった。 *** 「エエー!まだ付き合ってなかったんですカー!?」 「…え?」 翌日、朝食の席で蒼龍を改めて秘書に据えることを皆に伝えた。 最初は「提督は何当然のことを言っているのだろう」という雰囲気だったので、もうちょっとその…詳しく説明したらこの反応である。 「…え、どういうこと?」 「だってテイトク、蒼龍と一緒にいるトキはいつもso sweetなatmosphereじゃないですカ!」 「…マジで?」 ちなみに金剛は砲・電探の開発を担当しているため、何回か臨時に秘書艦を務めている。 自分としては蒼龍と変わらぬ態度で接していたつもりだったのだが… 「ワタシもテイトクのことダイスキですケド、さすがに蒼龍には敵わないネー」 「蒼龍さんもラブラブでしたし、どう見ても余人の入る隙はありませんでしたからね…」 「アレで隠していたつもりだったとは…提督は余程隠し事をするのが下手と見えるの」 鳥海と利根に追撃を食らい、茫然とする俺。ということは… 「な?昨日は早々に引き上げて正解だったじゃろ?」 「ですね」 「Nice ideaだったネ」 「え!?お姉さま、あれってそういうことだったんですか!?」 やはり、昨日は気を利かせてくれていたのか。若干一名気づいていなかったようだが… 「提督と蒼龍さんが、そ、そんな関係だったなんて…」 「あー…やっぱりそうだったんだね」 「お、朧は知ってたの!?」 「まあ…ちょっと怪しいかなぁって」 「うーん、ご主人様呼びも考えないといけないかなぁ?」 「フン、クソ提督にはもったいないわね」 第七駆逐隊の面々ですらこの反応…そんなに態度に出ていたのか… 今度からはもう少し気をつけよう、あれ?でももうその必要もないのか? そんなことを考えていると、 「ああ…それで昨日は特に声が大きかったのね」 「!?」 別な方向からの衝撃発言。今度は蒼龍が動揺する番である。 「ちょっと飛龍…はしたないですよ」 「ご、ごめんなさい、赤城さん」 飛龍は蒼龍の隣の部屋だ。もちろん昨日が初めてで、つまり… 当然ながらそんなことは口にしないが、顔を真赤にして俯く蒼龍はすこぶる可愛かった。次回の責めネタは決まりだな。 そんなことを考えながら、俺は朝食と幸せを噛みしめているのだった。 おしまい
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前回の話 「なんだ、提督なの? ……あ、いえ、いいんですけど。はい。提督も、愛してます」 「そうか、キスでもするか」 「やめてください。魚雷20発撃ちますよ?」 「ははは、直線状に進む魚雷を避けるのは簡単なんだぞ」 その代わり魚雷の損失額としては痛いものがある。 別に鎮守府の運営費は自分の財布から出しているわけではないが、 逆に言えば他人の、つまり上からのお金であるので、あまり変に浪費するとお叱りを受けるのは火を見るよりも明らか。 更に追求するとそのお金は根本的にはこの日本国民の税金から来ており、 散財を続ければ結果的に巡り巡って自分が損失を被ることになるだろう。 自分も日本軍人であり日本国民なのだ。 しかし大井はこう言うものの本当に魚雷を撃つことはない。 その信頼が自分の中に根付いているからこそ、その冗談に対し自分は恐れることなく軽口で返すことができる。 もし自分でない他の提督であれば、魚雷を無駄遣いすることを圧力で止めるか、あるいは懇願して止めるか……。 そもそも魚雷は水の中でないと進行も不可能なのだが、そのツッコミは野暮というものだろう。 何が言いたいのかというと、 自分は大井の考えていることも少しずつ分かるようになってきたと思う、ということだ。 では茶番はここまでにしよう。 最近大井の被弾率が上がっている。 元は軽巡洋艦なのでどちらかと言えば素早く動けるはずなのだが、どうも調子がよくない。 今日も艦隊の足を引っ張る形で大井とその随伴艦が帰投した。 北上に肩を借り、服とも呼べない布切れで体を隠す大井が不満をぶつける。 よく見ると下着も確認できるのだが、この状況でそういう気分にはなれない。 「さ、作戦が悪いのよ……」 「……」 こうは言うが目はこちらを見ていない。 言われるごとに幾度も作戦を練り直したが大井の戦況は改善されないのだ。 何より同じ重雷装艦の北上の調子が普段と変わらずキープされているので、 自分の中にあった魚の小骨のようなとっかかりは数日かけて確信へと成長した。 ひとまず大井を尻目に艦隊に指示を出す。 「……ご苦労だった。艦隊は一旦解散とし、次の招集まで待機していろ。 大井は至急入渠し、修復完了次第執務室へ出頭するように。いいな」 『はっ!』 「……」 随伴艦全員が凛とした返事で敬礼をくれるも、旗艦だけはだんまりを決め込むだけだった。 しかし自分は特に咎めるようなことはしない。 最後に自分も敬礼をしてやめ、背を向けると後ろで各々が散って行くのが音と気配で分かる。 最近の任務遂行の鈍りをどう上に言い訳しようか考えながら執務室に戻ろうとしたが―― 「提督」 執務室を目指す自分を呼び止めたのは北上だ。 そこにいたのは北上だけで、他の随伴艦や大井はいなかった。 大井を他の随伴艦に任せてまで自分に言いたいことがあるようだった。 「あんまり大井っちを責めないであげてよ。 旗艦なのに守ってあげられなかったあたしらが悪いんだ。処罰ならあたしらに――」 「責めるつもりはない。処罰もない。私にも原因があるかもしれないのだ」 「作戦のこと? 敵艦隊には勝てたし、問題はないと思うよ」 「作戦のことではない。心当たりはあるが個人的なことでな」 「ふうん……。大井っちとなにかあった?」 「分かるのか」 「具体的には分からないけどね。大井っち、最近は提督に懐いてるからさ」 「大井には合わん言葉だな」 軽く笑いあってから北上と別れた。北上は大井の様子を見に行くようだった。 入渠ドックは男子禁制なので北上や修復妖精に任せ、自分は執務室へ赴く。 懐いている 。 その大井の行動の裏に隠された心理を自分は二つ推測する。 そして答えを知りたい。 大井は自分にどうしてほしいのか。 「大井、修復完了しました」 「よし。では執務の手伝い、やってくれるか」 「はい」 体の傷や服さえも元通りにした大井が艤装を下ろして復帰したときは既に日は沈んでいた。 しかし今日はほとんど出撃できなかったのが大方の理由か、 執務も普段より早く終わる目処が立っているため結局やらせることは少ない。 「……これだけなの?」 「む、今日はな。こっちも直に終わる」 拍子抜けしたような様子だ。 流石に始末書を書かされるのではないかと予想していたのかもしれないが、 始末書なんて適当に反省の言葉をつらつら並べていれば終わってしまうし、 読む方としても何も面白くない。 何一つ得られるものがないのに紙と時間を無駄に使うだけの徒労なんてしたくない。 お互い無言で執務を消化していき、まず大井が執務を終えた。 「提督。私は終わりましたのでお茶を淹れますね」 「頼む」 茶も何ヶ月もやらせたことなので、 顔を上げず一言伝え大井に任せることにした。 …………………… ………… …… 「どうぞ」 「ありがとう」 湯気が少しだけ出ている如何にも適温そうな煎茶が出された。 礼を言い、思わず座っている自分よりも高い位置にある頭を撫でようとして―― 「あっ」 自分はある事を思い出しながら小さく声を漏らし、伸ばしかけた手を所在なくゆっくりと下ろした。 いつしか休憩中に大井が膝枕と頭を撫でる事を強請って来たことはあったが、それだけだ。 夜這いのことも置いておくとして、 基本的に大井はこちらからのスキンシップは嫌がるので控えなければ。 横に立ったままの大井は何も言葉を発しない。 少し居心地が悪くなったのを紛らわす気持ちで出されたお茶を味わう。 薄くなく渋くなく、丁度良い濃さで淹れられている。 「……うん。今日も美味いね、……?」 茶の味を顔を合わせて伝えようと首を回したが、上がりかけていた自分の口角が下がった。 「そうですか……」 なんだ。その悲しみを殺したような淡い笑みは。 「……私、北上さんのところに行ってきます」 大井は突然扉に向かって駆け出した。 ここで大井に何の布石も打たずして行かせるわけにはいかない。 別に大井と二度と顔を合わせられなくなるわけではないはずだが、 自分はとっさに現れた焦燥感に襲われていたせいか席を立ち上がってまで大井を止めた。 「待て」 「……」 「今日の深夜、いつでもいい。私の寝室に来てくれ。寝ていたら引っ叩いてくれていい。話したいことがある」 「……」 「……」 「……マルマルマルマルに」 長い沈黙を経て一言ポツリと残して出て行ったが、自分には確かに聞き取れた。 それから椅子にどっかと深く座り込み、 湧き出た安堵感とこれからの期待と緊張を五月蝿い心臓のある胸に手を当てることで抑えた。 茶はいつの間にか湯気が出なくなっていた。 先は 寝ていたら引っ叩いてくれていい 、言い換えると 寝ていても出ていくな と保険をかけたが、結論から言うとその必要はなかった。 こちらから呼び出しておいてすっぽかすというのも有り得ないことなのだが、全く眠気が来ないのだ。 執務を早めに切り上げられたのもあるだろう。最後に見た大井の様子が変だったのが気になるのもあるだろう。 指定時刻は今か今かと待ち構えているのもあるだろう。 呼び出したこちらが落ち着いていないと非常に恰好が悪いので文庫本を開くも、全く内容は頭に入ってこない。 内容が頭に入っていないのに頁をめくり、我に返って読み直そうと前の頁に戻ることを繰り返した。 しきりに時計を気にし、いよいよ日付が変わると同時に扉が叩かれた。 「いいぞ」 ベッドの上で胡坐を掻いて扉が開くのを待った。リラックスを装っているが内心緊張が収まらない。 扉の先の真っ暗な執務室に立つ大井は顔に何の表情も浮かべずそこから動かずこちらを見つめるだけだ。 「……」 「……おいで」 大井は振り返って扉を静かに閉め、艦娘に必須装備の海を走れる靴を脱ぎ、ベッドに上がる。 2人の体重がかかったシングルベッドが軋む。自分は胡坐を掻いているのに大井は正座の姿勢をとった。 大井は何も言わない。こちらをじっと見つめて言葉を待ってくれるだけだ。 「……大井」 「……」 「北上のことは好きか」 「……はい」 「私のことは」 「……好きですよ?」 目を見て言ってくれるが、私の疑心は消えない。 もしこの疑問が間違いだったら大井を傷つけてしまうかもしれないが、それでも確かめずにはいられない。 自分勝手な私を許してくれ。 「もう夜這いはやめろ」 大井の目が皿になる。 「北上から遠ざけようとしているならやめてくれ。私は北上をそういう目で見ていない」 「寝不足の理由がそれならしっかり寝るんだ」 突き放すようなひどい言い草。 しかしどんな理由であれ二度と鎮守府に帰って来られなくなるようなことにでもなれば自分は後悔する。 寝不足も立派な慢心だ。 もしどうしても休む時間を削らなければいけない理由があるなら出撃を控えさせる。 重雷装艦は戦力的に外したくないが、大井に限ってはそれに加えて―― 「嫌いになったんですか?」 「は?」 「私のこと、嫌いになったんですか?」 目を伏せて震えている。 しかし大井が私のことを嫌いだと言ったことがないように、こちらとしても嫌いなどと言った覚えはなく、むしろ―― 「最近は私に触ってこなくなったし、さっきも……」 大井は何を言っている? それではまるで触られることを望んでいたみたいじゃないか。 それにさっきとは……。 もしかして……。 「今までもひどいこと言ってきたし、はしたないこともして、戦果も悪くなってきたと思うわ……。でもね」 「提督を好きっていう気持ちは嘘じゃないの。提督が私のことを嫌いになってもそれは変わりません。だから――」 ――先ほどのお願いは受け入れられません。 顔をようやく上げてそう締め括った大井は頬に一つ哀しみの道を作っていた。 やはり言わなければ良かったかという罪悪感はあるが、 2つの推測のうち自分にとって嬉しくない方の推測が打ち破られて出た安堵感が大きい。 しかし自分だけ悦に浸っている場合ではない。 大井を泣かせたのは誰だ。自分だ。それならやることがある。 嗚咽も上げず膝の上で拳を作り、目を閉じてなお涙を零す大井に近寄り静かに抱きしめることにした。 この肩の華奢さは普段の様子からはイメージできないものだと思う。 「すまん。そういうつもりじゃなかったんだ。 寝不足で戦闘は拙いだろ? 大井が好きだから、私はただ大井に死んで欲しくなかっただけなんだよ。 嫌いになんかなってない」 それからあとは片手で抱きしめたままもう片手で後頭部をただ撫でることしかやっていない。 先より気の利いた言葉なんて浮かんでこないし、沢山浮かんできたところで言葉の価値が下がるだけだ。 こういうときは泣き止むまで待つのが最善なのだ。 しかしあまり長くはたたずに大井が口を開いた。 「……提督」 「うん」 「私は2回提督にしてあげたわ」 「……」 「そろそろ提督からも欲しいかな、なんて……」 私の肩に顔を埋めたままの大井を離した。 「あ……」 まだ涙腺は緩んだままのようで、頬伝う粒を指で拭ってから顔を近づけ、 小さく開いたそこを自分のもので重ねた。 「ん……」 ……。 「……はぁ……」 「……こっちでのキスは初めてか?」 「……そういえばそうね」 下の方には散々しておいて上の方はまっさらというのもおかしな話だ。 なので上の方も回数を重ねることにする。 「ちゅ……ん、んー……」 自分の少しカサついた唇が不快に思われていないかとか、鼻息が当たっていないかとか心配事が一瞬浮かぶも、 抱いている大井の体の柔らかささえ忘れるほど自分が今味わっている柔らかい唇の感触一点に意識が吸い込まれていくようだ。 それでも目の前の光景もまた気になるもので、無粋と分かっていながら瞼を開いてみる。 勿論眼前には大井の顔が広がっていて、それ以外のものは目に入らない。 ああ、こいつ意外とまつ毛長いな。綺麗だな。 「はっ、ん……ん、ぅ……?」 いけない。見とれて口を動かすのを忘れた。ほらバレた。 同じく瞼を開けた大井と目が合い、唇の感触は惜しくも失われた。 「もう……、目は閉じないとダメですよ」 「悪い。もう一度、いいよな?」 それが愚問だとでも言うように再度瞼を下ろして顎をくいと前に出すので 顔をゆっくりと近づけ事の次第を再開した。 「……ふ、……ん、ぁ、ちゅ」 そろそろステップアップしたい。 少し口を開いて舌を出し、大井の唇をつついて開くように促す。 意思表示は難なく伝わったのでゆっくり差し込んでいくと、抱いている肩がほんの少しだが震える。 「っ……あ……はぁ、あ……」 しかし大井は受け入れる事をやめないし、こちらとしてもやめさせたくない。 あまり驚かせないようにちろちろと大井の舌を探す。 「……ぁ、ぅ、……っ」 すぐ見つかったのでわき目も振らずその舌に自分のを絡ませていくと案外そちらもすぐに絡み返してきた。 口の中は熱い息で充満していて、その舌もまた蒸されたように熱い。 味覚の役割を果たす舌が別の舌を味わうというのは新鮮で、ざらざらした独特の感触をよく味わう。 たった数十秒それを続けていると唾液が生産され、感触はぬらぬらしたものへ変わってきた。 半ばわざと立てるようになってきた音も水っぽくなり、淫らさは増す一方だ。 「えぅ、ちゅ、んんー……、んむ、んく、ちゅぷ、ぁ……」 口で一旦空気を吸い込もうと惜しくも唇、舌の順に離すと互いの舌の間を糸が引くのが分かる。 少しだけ瞼を開くと飛び込んでくるその顔にもはや普段の面影はなく、上気した顔で接吻を楽しんでいるようだった。 自分もこのような緩みきった顔をしているのだろうな。大井が瞼を閉じたままでよかった。 また先のように瞼を開かれないうちに再び口を塞ぐ。 「んうっ、んん……ちゅる、あ、はぁ……」 こうした唾液の交換が短くても数分以上は続いたと思う。 大井の唾液をもらって飲み込む代わりに自分の唾液も結構持っていかれたはずだが、唾液の生産は止まることを知らない。 自分も大井もみっともなく唾液を口の端から漏らし顎を伝っている。 「……ぷぁ……はぁ……はぁ……」 口を離すと自分の胸にくたと額を預けてきたので抱き留め、空いている手でこっそり自分の涎を拭う。 「はぁ……んくっ、はぁ……」 口を長く塞ぎ、息苦しくさせてしまったのかもしれないので少し休ませる事にする。 その間、自分の腕の中の大井の髪を撫でたり梳かしたりして手触りを楽しむ。 そうしているともぞもぞ動いたかと思えば自分の心臓に耳を当てて来て、心臓が跳ねる。 「……ふふ。提督、緊張していますね」 バレたか。 しかしこういう事には慣れていないので速くなってしまう鼓動を抑えることはできない。 仕返しと茶化しの意味で、密着させてくる大井と自分の体の間に手を差し込み―― 「あっ……」 「……うん、お前も緊張しているみたいだな」 大井のふくよかな胸を、あたかも鼓動を確かめるかのように触る。 感じるのは服越しでも分かるタンクの柔らかさだけ。 それはどちらかといえば大きいもので、その向こうにある鼓動の具合など分かりゃしない。 大井にこのようなセクハラじみたことをするのは久しい。 だが以前と違うのは大井の反応だ。 「……」 体を離し、診察台で聴診器でも当てるかのように自分で服を捲り上げてくれた。 しかし今から体に当てるのは聴診器ではない。 「ほら、触っていいんですよ……」 上着をかなり上まで捲り上げると姿を現したその二つのタンクにカバーはつけられていなかった。 見惚れる間も与えず大井は私の手を掴むとそのタンクの片方に押し付けた。 私の手が当たると自分でやったというのに大井は一瞬だけ体を震わせる。 「っ……」 「……大丈夫か」 「え、ええ……ちょっと、手が冷たかったから」 なるほど、そういえばこの部屋には暖房器具がなかった。 それでも体は火照っているが手足など末端は中々体温が上がらない。 大井も体は自分と同じくよく火照っているようで、 まるで中身が沸騰しているかのようなタンクに手を沈ませると自分の手の冷たさがよく分かる。 もう片手も使い、二つのタンクをそれぞれ全体を撫でる。 タンクの頂点にある突起物は勿体ぶって触れないように。 「っ……はぁ……」 あくまでも最初は撫でるだけ。 この程度では大井も自分もそこまで息を荒げることではない。 しかし最初はこれでいい。 「んっ……焦らさないで……」 「……」 ひとまずはこれくらいにしてさっさとその突起物を口に含むことにした。 まだ弱い愛撫しかしていないのによく膨らんでいる。 「ぁ……」 口をつけていないほうのタンクも撫でるのをやめ、指を使って突起物をこねくり回す。 口をつけたほうは吸い付いたり、多量に唾液を乗せた舌でわざと音を立てて舐る。 その突起物は柔らかいのか硬いのか表現しづらい独特の舌触りだ。 また甘味料が付与されているわけでもないはずだが、どうしてか甘く感じる。 「んぁ! あっ……、んん……」 開きかけた口を閉じて声をあまりださないようにしているようだ。 ……とても攻め甲斐がある。 普段大井にはあまり向けない感情が首をもたげる。 緩い愛撫は抜きにして、ただ乱暴にタンクを揉みしだき、息の続く限り強く突起物を吸い上げる。 「んああっ! あっ! ちょっと、ひっ!」 どうだ。口が再び開かれ、激しくなった喘ぎのほうがこちらも気分が高揚する。 口つけた突起物の周囲も存分に舐め回すし、手を使ったほうもタンクと突起物両方を弄り倒す。 次第に汗ばんで来たのかしょっぱいような味も混ざってきた。 「ううんっ、……ん、ああぁ!」 大井が自分に強気に突っかかり、自分が飄々と躱すいつもの関係はどこへやら、ここでは自分が優勢だった。 大井は自分の攻撃を正面から受け続ける。 ひょっとするとこれは初めてではないだろうか。とても面白い。 顔が見たくて口を離す。 タンクの突起物は赤く点灯していて自分の唾液でてらてら光を返している。 赤く点灯しているのは顔もだ。 この突起物をボタンのように押し込んだら顔も更に赤くなるのだろうか。 「も、もう怒ったわ!」 「うおっ」 うっとりした吊り目と視線が合うな否や、急に自分の肩を両手で突いてきた。 突然のことに反応が遅れあっけなくベッドに倒される。 壁に頭をぶつけないか一瞬の恐怖感に襲われたが着地したのは柔らかいベッド。 押し倒す場所の判断ができるほど大井もまだ理性を捨ててはいなかったようだ。 自分にすっかり馬乗りになった大井は顔どころか髪も乱れているが、 その顔に貼り付けていたのは不敵な笑み。 どうやら形勢逆転されてしまったらしい。 「硬いわね」 挑戦的な声で大井が見つめる先は下腹部、正確には大井のもう一つの補給口で押し潰された自分の男の象徴。 大井よりも乱れている自分がそういうところに反応を表さないはずがない。 見つめると言っても自分のモノはズボンの中だし大井のスカートもあるし、 押し潰されているところなんて見えないのだが、これはこれで想像力を掻き立てられる。 そしてこの体勢でやることと言えば一つしかなく、腰を前後に動かし始めた。 「はぁ……形がよく分かるわ……」 自分のモノはズボンの中だし、大井の補給口もおそらくカバーがかかったままなのだろうが、 それでも微妙に快楽を得ている。 「あっ、んん、これ……意外、と……っ」 こっちは声が出るほどではないが大井は恐らくカバー一枚だ。自分よりも快感が伝わっているのかもしれない。 一方自分が感じている快感はあくまでも微妙なもので、これだけで達することはできない。 「ん……脱がすわよ」 少し後退して、ベルトに手をかけられる。金属音も程々にズボンと下着はすぐに下ろされた。 二度の夜這いのこともあるだろう。しかしそれ以前にもしかすると予習でもしていたのかもしれない。 そもそもこういうことは大井には何一つ教えた覚えなどないのだ。 改めて確認するにはやや抵抗あるが、この鎮守府に男手は自分しかいなかったはずだし、 もちろん自分がそういった本などを職場であるこの鎮守府に持ち込んだ覚えもない。 そういえば面倒になってここ何日も自宅のほうに帰っていない。 ああいうのも処理のお供に使わなくなってきたし処分でもしようか。 「……大きいわね。昨日は出してないんですか?」 「昨日はやってないね」 鎮守府提督とは決して楽な仕事ではない。 今日はこうだった明日は何があるなどやらなければならないことは考え始めるとキリがない。 結果性欲そのものを自覚しない日が出てくるのも何ら不思議ではないのだ。 しかしそれはあくまでも自覚していないだけのことであって、 例えば今のような状況や気分になったら自覚しなかった日の性欲が繰り越されて襲ってくる。 正直これでは物足りない。 その旨を目に乗せて大井の目に届くよう願う。 少しのアイコンタクトの後大井は一旦ベッドを降りてスカートに手を入れた。 何の装飾もない白い下着だけが下ろされ、床に放置される。 自分は服を全て脱ぐつもりはなく、大井も何となく同じ考えのように見える。 すぐさまベッドに上がり、天に向かってそびえる自分のそれをスカートで隠して跨った。 自分のモノは湿った何かに倒される。 先と違って直に大井を感じる。 しかしこれはまだ入っていない。 「あっつ……」 まるで夏に屋外に出たときのような、しかし似て非なる声だ。 腰を動かすと互いの肉がダイレクトに擦れ合うので先とは全く違う。 竿の腹が補給口の割れ目にめり込むのが見えなくてもわかる。 「あっ、あっ、はあ、は、ああっ」 湿っていた大井の補給口からはどんどん愛液が漏れてきて、互いの局部を濡らしていった。 自分も大井に追いつくように息が荒くなっていく。 大井の晒されたタンクといやらしい腰使いは視覚に、 くちゅくちゅという水音と大井の色っぽい声が聴覚に、大井の補給口と擦れ合う局部は触覚に、 性欲を満たしてくれる材料が五感の半数と精神を攻め立てる。 「あはっ、ん……もう、我慢、できない……」 突然前後運動をやめ、腰を浮かせてスカートに手を入れたかと思えば自分のモノを掴む冷たい感触。 先端には熱く濡れた感触。 もしかしなくても分かる。 「待て早ま――」 「んあああぁぁっ!!」 「ッ!」 大井はこちらの気遣いを棒に振るように腰を下ろした。 狭いところを無理やり押し広げる感覚を一瞬だけ感じ、それはずるりと飲み込まれた。 桁違いの快感に歯を食いしばって抗う。 大井の中は柔らかいくせにきゅうきゅうと締め付けてくる。 しかし大井は初めての経験のはず。これが痛くないはずがない。 中の形は自分のと全く合っていないし、大井は動かなくなっている。 「う……だから待てと言おうとしたのに……」 「あっ、ひぐっ、……ッ」 「だ、だって……提督と早く、こうしたかった、んだもの……」 相当来るのか私の胸に両手を置いて俯いてしまった。 こういう時何をすれば確実に痛みをなくせるかなど知らず、ただ慣れてもらうまで待つしかできない。 せめてもの情け程度に服越しで腰を両手で摩る。 痛みに耐えてまでそういうことを言われて嬉しくないわけがないし、覚悟の気持ちも十分伝わった。 ここで、抜こうか、などという慰めは無粋極まりない。 「て、提督……、少し、ッあ、このままで……」 「いいよ、いいから」 震えるだけでまともに動けない大井を見る時間は精々一分程度しかなかった。 このまま待っても何も変わらないと判断したのか、私の胸についた手に力を入れて半ば無理やり動き始めたのだ。 「ん……んぃぃ……ッ、いっつ……」 ずるりと腰が持ち上げられ、カリまで外気に触れたところでまた落とされる。 その動きは一往復し切るまでに文庫本一行を読めるほどゆっくりとしていて、 正直言って摩擦による快感などないに等しい。 キツい締め付けも一応快感は生んでいるが、これではこちらが動きたくなる衝動に駆られるだけだ。 しかしこの大井の懸命に苦痛に耐える姿をしかと目に捉えることでその衝動は抑えられている。 自分が今相手をしているのは自己処理するための玩具でもなく、道具でもない。 ならば兵器? 最近の兵器は人間の性欲を処理する機能もついているのか。なんと都合のいい事だ。 だがそれも違う。 今相手をしているのは、周囲から艦娘と呼ばれているだけの人間だ。 私に奉仕したいという一心で私にこんなことをしているんじゃない。 私とこういうことをしたいという自身の意思でここにいるのだ。 それを分かってなお大井のことを考えずに行動する思考回路は自分の頭にはない。 「く、はあ……あぅっ……ん、んぅ……」 少しずつだが確実に抵抗は落ちてきているようで、よく耳を澄ますとにち、にち、といった粘液の音が聞こえる。 大井も次第に食いしばっていた歯の力を緩めてきてちらちら口の奥が見えるようになってきた。 「ん! ふ、あっ、は、てい、とくっ? どう、なの? ッ!」 「ッ、ん、ああっ、よくなってきたぞっ」 上下運動と言える十分な速度にまでなってきて気持ちよくないわけがない。 つい先までは悲鳴じみた声だったはずだが、今やすっかり艶と色気のある喘ぎが完成していた。 そんなことを質問する程調子付いてきたのならと大井の腰に添えて動きを緩く手伝うだけだった両手を、 揺れる二つのタンクに向かって伸ばした。 「ああっ! 胸、そんなに強くっ!」 滅茶苦茶にタンクを揉みしだく。滴る汗が自分の腕に数滴飛び散る。 そのタンクは手で完全に包み込むには少し大きいので、指の動きをそれぞれ変えてタンクに沈めたりしてみる。 「んんっ、い、やらしい、手つきね、あっ」 「人の事言えるか、このっ」 「あぅっ!」 生意気な口をきいてくるので、今まで動かさなかった腰を突き上げてやると面白い反応をした。 タンクのすべすべした手触りと補給口の中の絶妙な凹凸具合を堪能する。 「うぁっ! はっ! ああっ」 「ほらっ、ほらっ!」 「ちょっ、と、止めてっ、あ!」 「……」 「はぁ、はぁ……提督」 「うん」 「あの、最後は、抱きしめてもらいながら、イキたいの」 その時自分はどんな顔をしていたのだろう。心にずんと重い衝撃があったのは分かる。 事に及ぶ直前から大井と顔を合わせてしたいと考えていたのはそうだが、 今の大井の台詞はコピーしたように自分の意思に上書きした上で反映された。 上体を起こし、繋がったまま先と体勢を入れ替えて大井を横たえ、正常位で行うことにする。 これで抱きしめることもできるしなおかつ速度を上げることができる。 大井のスカートがめくれて下腹部が見えた。 大井の補給口周りは乾いた愛液の上にまた愛液で濡れているし、自分のモノはといえばところどころが赤くなっている。 ここまで乱れて来てそういえば大井は初めてだったことを改めて思い出したが、 あと少しで達することができそうなので構わず事を再開し、速度を上げていく。 「ああっ! やだっ、はげ、し、いぃっ!」 「てい、とくっ! キス、してっ、くだっ、あ!」 望みに応える事と、精一杯の想いを伝えたい気持ちで唇を合わせつつ、速度は落とさない。 唇を合わせるのが少し難しい。 「んっ! ぅ、んふっ、んんっ、ちゅく、ちゅるっ」 声が篭るも、ピストンしながらの唇を完全に合わせるのは無理なので、唇の端から声が漏れる。 想いを口に出したいがために割とすぐに離す。 抱きしめるために上体を大井と重ねるように下ろし、両手を背中に回す。 大井の耳元まで顔を持っていき、口を開く。 「大井っ、大井っ、前から、好きだったんだっ、愛してるっ!」 「はっ、て、提督っ、私もっ!」 こちらの背中に微かに回されていた手に力が込められる。 自分はこの時、初めて自分らが一つになれたかのように感じた。 最初は大井の気持ちの変化を曲解した結果涙を流させる事になってしまったが―― 「ぐっ……」 「んっ! ~~~~ッ……」 これから先も流させるとしたら、それは嬉し涙だけにしたいものだ。 流石に熱も落ち着いてきて寒さを感じてきたので布団を被ることにする。 狭いシングルベッドに二人で横になるなら密着するしかないが、むしろ好都合のように思う。 普段の調子がああなのであまり意識していなかったが、服を着ていても大井の体の凹凸はよく分かるものだ。 ――抱き合っていれば嫌でも分かるな。 服装をしっかり整えた大井の顔は、先までの事が嘘と思わせる位には涙の跡も残らず普段の微笑みを取り戻している。 自分も人のことは言えないが、愛だとか恥ずかしくないのかコイツは。 ――愛してるは普段から言ってるしこんなものか。 「で、寝不足の原因は一体何だったんだ」 ピロートークの第一声がこれとは自分もどうかと思う。 「提督は最近四十六サンチ砲を欲しがっていたじゃないですか」 「まぁそうだね」 「だから夜中に工廠の資料を読み漁っていたんですよ」 「……まさかとは思うがそれを開発しようと?」 「はい」 「私のためにか」 「……ええ」 半分分かっていながら少しからかいを込めて言ってみると目を逸らした。 自分の中で嬉しい気持ちと怒りたい気持ちが葛藤を始める。 開発艦が戦艦でも難しいというのに、戦艦以外が携わって開発できるとは思えない。 それぞれ得手不得手というものがあって、勉強すればどうこうなるものではないはずだ。 何事も学ぶのはおそらくいい事だとは思うが、 私のためを思っての行動が艦娘を殺してしまいかねないとなると喜んでもいられない。 大切な存在を失うことがどれほどの恐怖であるかを想像してみて、大井をさらに近くへ手繰り寄せた。 「まぁ勉強はいい。だがそれで睡眠時間を削るのはやめてくれ。 私も沈ませないような指揮を取っていくつもりだが、全知全能の神でもない限り何が起こるか分からん」 「……分かってます」 「それでも生活習慣を崩すようなら艦隊に入れないからな。 私自身としては大井には存分に活躍してほしいんだが……」 「輸送任務とかかしら」 「魚雷を没収されての輸送任務は楽しかったか?」 「……いえ、退屈だったわ。とても」 最終的な重雷装艦への改造を完了した際に大井自身も言っていたように、 伝聞や資料にもあるが前世では重雷装艦としての役目はほとんど果たせなかったようだ。 決戦切り札の誇りを持って世に生まれたのに、設計時と全く異なる使い方をされた時の大井はどんなに悲しんだだろう。 「お願いだから死ぬような真似はやめてくれよ? 別に四十六サンチ砲なんか開発できなくたってお前に失望したりはしない。 重雷装艦としての役目を存分に果たして、私の目の届くところにいてくれれば満足だ」 「……ごめんなさい」 謝罪に対しては大井の頭を撫でる事で返した。 分かってくれればいい。どうしても開発に協力したいというのなら支障が出ない程度に受け入れようと思う。 「こんな私を選んでいいの? ……私を裏切ったら、海に沈めるけどね」 大井にしては珍しい控えめな態度と、いつもの強気、というより最早脅しじみた態度を混ぜておかしな確認を取ってくる。 先まで散々求め合ったのに、ここに来て断るならばそれは支離滅裂というものだ。 これはたった一晩だけの関係ではない。一晩だけの関係で済ませたくない。 「へぇ。それよりも先に私を裏切って海に沈んでいくような馬鹿はあまり好きじゃないかな」 「……もうっ」 うまい具合に言い返してやると負け惜しみのような反応が帰ってくる。 私の体に伏せていたがこちらに合わせるために上げたその顔は、 以前の愛想笑いでも、悲しみを隠すような笑みでもなく、濁りのない笑顔だった。 「やっぱり、提督の事、愛してますっ」 スキンシップも大事だな。大井の姉妹艦がそう言っていた。その意見には賛同の意を表明したい。 その姉妹艦とは逆に嫌がっていると思っていた大井も心を開いてみれば、やはり姉妹艦という繋がりは伊達ではなかった。 「提督、この手はなんですか? 何かの演習ですか? ……まあ、いいかな」
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瑞鶴ちゃんインカミング! 第0話 左の山から書類を取ってページをめくる。大事なところはメモを取り、確認のサインをしてから右の山に乗せる。 左の山から書類を取って、以下同文。 それが済んだら左の山から書類を取って、以下同文。 見てるぶんには単調なことの繰り返しでも、提督である俺のデスクに届く書類に、おろそかにしていいものは一つもない。 この鎮守府にある参謀、軍医、主計、造船、兵器、建築の主な6つの部署からの情報はそのまま、いま行われている海の覇権を賭けた戦争のゆくえだけじゃなく、 深海軍と呼ばれる謎の生命体と戦う主戦力である、艦娘たちの命も左右する。 俺がいま読んでいる造船部と兵器部からの技術報告書は、きょう読んだ中ではとくにいい情報だった。 内容は、二人の艦娘に試験的に『改良型本式タービン』と『強化型缶本式缶』を併設する改装は、艦娘それぞれに搭載できる兵器の数が許すかぎり積極的に勧めるとよい、とのことだった。 試験に参加した島風と金剛の2人は弾幕回避訓練で驚くような機動性を見せ、とくに島風は敵役の重巡艦娘6人が本気で速射する模擬弾を髪をなびかせてスピードスケートのようにかわし、 金剛も高速戦艦と言うだけのことはあって、かなり熟練した駆逐艦娘なみの動きを見せたらしい。 (よし、これは覚えとこう。タービンと釜か。待てよ、装備数を制限するなら載せる兵器は火力と質を向上させる方向で・・・・・・) そんなことを手帳にすばやく書き込んでいる俺の真正面から、わたしは不満ですよというトゲだらけの声がした。 「ねーえー、提督さんってばー」 書く手を止めてその方向を見れば、机のへりに組んだ両腕とあごを乗せ、なんだか怒ったような目つきをした女の子がいた。 淡い鉄灰色の髪を白いリボンでまとめ、薄茶色の大きめな瞳がいかにも不満ですよ、という風情を見せるその子に向かって、俺は答える。 「なんだ、瑞鶴」 「もう、やっと気づいた。なんか瑞鶴、ちょっと退屈なんだけど」 「茶なら、もういいぞ。お前がヤカンでたくさん淹れてくれたしな」 俺の足もとには、麦茶入りのヤカンが置いてある。仕事始めに瑞鶴が「こんだけあれば、午後までもつでしょ?」と言ってこしらえたものだ。 この娘は要領がいい。ふだん茶のうまいまずいを問題にしない俺にとっては、結局ヤカンに水でも茶でも、何かノドを潤すものが入っていれば十分なのだ。 「お茶の話じゃないよ。あ、ねえ提督さん。お茶菓子でひと休みする? 間宮さんのおいしいヨウカンが」 「まだ9時過ぎだ。こんな朝から甘いものは食えん」 「じゃあ、朝ご飯は? お茶漬けとかなら秘書艦室のキッチンで作るよ? 今日はお米がじょうずに炊けたし」 「昼飯までいらん。自宅を出るとき食ってきた」 こう答えながら書き込みを終えた俺が手帳をぱたりと閉じるタイミングで、最高潮のふくれっ面になっていた瑞鶴が小爆発を起こした。 「んっっっも――――ッ! あたし秘書艦なのにぜんぜんお仕事ないじゃない!! ふてくされちゃうぞ!!!」 「退屈のなにが悪い。比叡を見習え。あいつはたいがいそこのソファで寝ているぞ」 「比叡さんはそうでも、あたしは何かしたいの。何か言いつけてよ」 (要するに元気いっぱいという事か。なるほど) こういう艦娘はとにかくいろいろこなして俺の負担を省こうとしてくれるが、一週間でローテーションする秘書艦の仕事に休養の側面があるのに気づけない娘が多い。 「わかった。それならこの書類を、それぞれの部署へ返しに行ってくれ。この3つは造船、この2つは主計、この4つは兵器。これは軍医と建築だ」 「それだけだとすぐ終わっちゃうよ」 「俺がゆうべ家で目を通した分がある。いまから分けるから、間違えずに持って行け」 と言って、俺が机に置いた風呂敷包みのどっさりした重みを見た瑞鶴が(うっ)という顔をした。 「この5つは参謀部。表紙に赤字でトクヒと書いてある分は参謀長か、いなければ次官に渡す。赤字がない2冊は参謀部出向の大淀に渡せ。この2つは主計局長だ。 さっきの2つといっしょに『裁可済み』のザルに放り込んどけばいい。それから、各部署にある『執務室行き』のザルに入ってる書類を忘れずに持ってこい」 書類と俺の注文の多さに最初はたじろいだ風でも、持ち前の要領の良さと負けん気が顔を出すのか、さっきより生き生きと書類を分けていく瑞鶴。 (これは確かに、ヒマそうにしているよりも動いていたほうがいいタイプらしいな) そう思う俺に向かってカバンと風呂敷包みを下げた瑞鶴が言った。 「用意できたよ、提督さん。まだ何かある?」 「んー。あると言えばあるな。正午までには戻ってこい。飯を食ったら、俺と造船部に同行だ」 「造船部? あ、そういえばドックで新しい船、作ってたよね。その子のこと?」 「造船妖精の使いが今朝、俺の家に来てな。建造時間が予定を大幅に超えてる。最初は長門級かと思ったらしいが、50時間を超えてもまだ仕上がらないそうだ」 「えっ。それって・・・・・・」 「ああ。お前の姉妹艦かもしれん。だから見せてやろうと思ってな」 最短18時間から最長60時間。艦娘の竣工にはこれだけの時間がかかる。今までこの鎮守府で60時間の建造のすえに完成したのはここにいる瑞鶴しかおらず、 かと言って赤城や加賀、蒼龍や飛龍と同じ時間をかけても造れない空母と言えば、もはや一隻しかない。 「ほんとに・・・・・・翔鶴ねえが来てくれるのかな、ねえ。来てくれるよね提督さん?」 「可能性は高いそうだ。俺にはよくわからんが、姉妹艦ってのは呼び合うらしいからな」 「わかった。うー、すっごい楽しみ! ほんとは今すぐ見に行きたいけど、提督さんの言いつけはちゃんと守るね。瑞鶴、行ってきます!」 それだけ言って元気よく執務室を飛び出してゆく瑞鶴。 窓を開けて、ちょっと短すぎる気がしないでもないスカートのすそとツインテールを揺らしながら鎮守府の建物から走り出していく後ろ姿を見送った俺。 「さて、昼までもうひとがんばり、するかな」 また書類をめくり始める前にひとつ思いついた俺は、電話を取って烹炊部門に回線をつなぐよう頼んだ。今夜はたぶん翔鶴型空母の加入祝いになる。鳳翔さんに頼んで、ちょっとは豪勢な食事を出そう。 新しい艦娘がやってくると、なんだかんだ理由を付けて食事会を企む俺みたいな提督がいるおかげで主計部から文句も言われるが、艦娘たちの福利厚生と思えば安いもんだ。 それが終わったら、昼飯のために腹を減らしておこう。瑞鶴のやつ、米がじょうずに炊けたと言ってたしな。 終